11.なぜ映画館でポップコーンが売られるのか?
映画館でポップコーンが売られるようになったのは、1930年前後のアメリカだったそうです。それまで、サイレント一色だった映画に音声がつくようになり、子供たちの間で人気が急上昇。ならば、入場料だけでなく、館内で子供に向けの商品を売って一山当てようと考えた映画館の経営者たちですが、一つの壁にぶち当たります。
子どもたちが好きなものといえば、甘ぁ~いお菓子。
しかし、1929年に起きた世界恐慌の余波がまだ残っており、砂糖は貴重品。とてもじゃないけど、子供たちのお小遣いで賄えるような安価で、提供できる代物ではありません。
あ、でも、北アメリカ大陸は海に囲まれているから、塩は豊富にあるよね?
ということで採り放題の岩塩と、これまた安価な穀物であるトウモロコシで作れる、ポップコーンを映画館で売ってみたら、これが大ヒット!
もう1つ、嬉しい誤算なのが、塩っぱいポップコーンを食べた後は、喉が渇くということでした。
ポップコーンとセットで、渇きを潤すドリンクも飛ぶように売れて、映画館は大儲け! 右に倣えで、広く真似されるようになり【映画館でポップコーン】という組み合わせが、定番化したわけです。
まさに、アイデアとひらめき。発想の転換で、チャンスをモノにした学び多き事例ですが、今も【ポップコーン】の風習が残っています。これは、上記の起源以外にもメリットがあるためのようです。
たとえば、こぼしても掃除しやすいこと。
ポップコーンは乾きもの。映画館の暗がりでつまづいて落としてしまっても、後から清掃員がささっと手早く片付けることができます。
これが仮に、ソフトクリームやシュークリーム(の中のホイップ)だとしたら、床やシートに汚れがこびりつき、処理が大変。また、シミが残った席に座りたがる客がいるはずもありません。
あと、匂いも適度に抑えられていることもポイント。
カレーや、カップラーメン、中華マンは美味しいけど、上映室ににおい成分が充満するほど強い食品は、映画館で提供するメニューとしては、不適格といえましょう。
ということで、色々試行錯誤を重ねられながらも、王座は入れ替わらず。
【映画館でポップコーン】の組み合わせは初手がベストだった、数少ない(?)事例といえましょう。
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