第3話 あねさん?
「時に、尼野さんとやら」
「とやらはないでしょ、クラスメイトなんだし」
ごもっともだが・・・
「で、何?康夫くん」
「その、君の師匠は、俺の事知ってるの?」
「ううん、知らない」
だろうな・・・
「なら、どうして俺をご指名?」
「師匠から言われたの」
「何て?」
「面白い人を連れてこいと」
「で、俺?」
「うん」
「なんで、俺?」
「面白いもん」
わけわからない・・・
「ところで、尼野さん」
「何?」
「君の名前は?」
「忘れたの?尼野由紀子だってば!」
「本名ではなくて・・・」
「ああ、高座名ね、木茶(きっさ)よ」
あの人らしい名前だ。
「で、これから俺をどうする気だ」
「師匠に会わせる」
「会わせてどうする?」
「弟子になってもらう。つまり私は姉弟子ね。私の事をあねさんと呼ぶように」
「勝手に決めるな」
まあ、どうせ断れるだろう。
落語家なんて、そう簡単に成功出来ない。
真打ちになって、食えるようになるまでは、早くても30年は見ておいて方がいいだろう。
でも、この尼野さんは、どうやって弟子になった?
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