お泊りと自慰 その二
「ん……んん?」
寝ていた翔太は違和感で起きてしまう。目の前がクリアになった瞬間翔太は驚愕した。自身の股間に顔を埋めて、下半身は何一つ身につけていないカノンがそこにいたことに。
「な、なな……何が?」
理解が追いつかない翔太はこの光景をただ見ていた。とりあえずとんでもない格好をしているカノンの近くにある、脱ぎ捨てられた下着と貸したスウェットを手に取る。
「まじかよ、カノン……こんなエロい下着履いてんのか……」
シルクの素材で作られたそれは光沢があり、高級感がある。触り心地がとても良いため履き心地も抜群だろう。しかしそれよりもその下着の色に翔太は目を向けた。
「こ、こんな赤色があるんだな……」
それは炎のように真っ赤な下着だった。流石の翔太もそれを見たら興奮を抑えられず、お子さんが元気になる。しかしこのままではカノンが風邪を引いてしまうので、迅速に履かせるためカノンの態勢を変える。すると暗闇になれた目がカノンの白い肌を捉え、翔太を釘付けにした。
「はあ……はぁ」
興奮しすぎて目が血走っている翔太は、『手を出したら犯罪』と心の中でその言葉を読み上げて自制する。カノンの足から下着を通して、綺麗な曲線のお尻まで上げた。初めて触る女子のお尻に興奮度が上限に達する。その瞬間、翔太のお子さんの強度が最大になる。
「履いてる方がエロく見えるな……ってやばっ、限界!」
急いでスウェットも履かせ、カノンを布団に横にしたら翔太はトイレに向かった。数分後にスッキリした顔で部屋に戻り、今度はベッドで再び眠りについた。
◇
「んん……あれ? あたし確かベッドで」
深夜の四時に、カノンは目を覚ました。カノンいまの状況に疑問を持つ。昨日は確か翔太からベッドを使って良いと言われ、ベッドで布団を被った筈だが……。
「あ、ああ……あああ!」
昨日の足りていなかった記憶が蘇ってきたカノンは大声をあげた。
「え、なんで。なんでスウェット履いてるの! なんでここで寝てるの!?」
口では理解してない風を装っているが、頭ではとっくに答えが出ていた。しかしそれはつまり昨日の格好を翔太に見られて、更にその格好を直してもらったという事。
人様の家で下半身を露出して、お子さんのおたまで寝ていたなど、何も言い訳出来ない。謝って許される事でもない。絶望したカノンは布団を被り、現実から目を背けた。
「そうだよ、あれは夢。私の欲望が現実では実行出来ないから、脳内で作り出した都合の良い夢なんだ。そうに違いない」
かなり難しい解釈で自身の心を安定させた。そして未だ夢だと勘違いしたカノンはベッドにあがり翔太の横で寝そべった。
「夢なら何しても大丈夫だよね?」
誰かに質問して、カノンは布団の中に入り、翔太に抱きついた。そして胸もとに顔を埋めて目を瞑る。
「夢は叶えるものじゃなくて、見るものだったんだ〜」
翔太のアロマを吸ってカノンは眠りに落ちていった。
その日の朝に目覚めた翔太は、カノンが横で寝ていることに驚く。可愛らしい寝顔と女子特有の匂いに昨日の記憶が蘇り、朝から元気になるそれを手で抑える。そして本人にバレぬ様に部屋を出て、再びトイレに駆け込んだのだった。
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