四月五日、休み時間

 うぃっす、お疲れ様です!今日の差し入れはりょうの部屋からくすねて来たロールケーキよ!食べましょ、食べましょ!お、紅茶?さっすが、用意いいねぇ。


 それにしても、いっちゃんも大変よねぇ。放送委員の上に新聞部でしょ?情報通って所にかけては、もしかしたら風菜と肩を並べるんじゃないかしら。あ、このロールケーキ美味しい。


 で?記事は纏まりそう?…そりゃあ、学級新聞で私たちの事を記事にするって聞いた時は驚いたけどね。いい記事期待してまっせ、旦那!

 …うん?やだぁ、そんな風に言われると照れるー。まるで私たちが青嵐高校のアイドルみたいじゃない。あ、そこまで言ってない?

 …まあねー。キャラ立ちにかけては、そんじょそこらのアイドルグループにも負けない自覚あるわよ?


 まず、ミーハーの風菜ふうなでしょ?バカでオタクの日向ひゅうがに、乙女な思考回路で馬鹿力のひかる、そしてクラスのカリスマ、私こと風月里良かざつきりら

 …あ、忘れてたわ。涼って私の幼馴染のくせに影薄いのよね。


 …え、森谷もりや?…そうねえ、容姿端麗、学業優秀、才色兼備のクラス委員長様…確かに、間違ってはいないわ。でも、私に言わせると、何であいつが校内イケメンランキング一位なのか、全くもって謎だけどね。

 だってあいつ、性格最悪よ!?あいつは思いやりという物を母親のお腹の中に忘れて来たんじゃないかしらって、時々思うわ…。


 あいつの秘密、教えてやろっか?フフッ…ま、あいつ自身も分かってないと思うんだけどね。

 ……森谷って、実は光の事好きなのよ。馬鹿っ、しーっ、シー!私が漏らしたってばれたらどんな仕打ちが来るか分からないじゃない!

 …意外でしょ?あいつ、中学の頃に、下駄箱に入ってた自分宛てのラブレター光の前で破り捨てちゃった事があるのよ。それで、光が大激怒!


 ラブレターの主は、光の知ってる子じゃなかったのよ?それなのに、あのバカ力で森谷の頭ぶっ叩いて、「あんたの事を一生懸命思って綴った手紙や!人様の思いは大事にせなアカン!」ってね。

 何回か同じような事を繰り返して、気づいたらあいつ、光に頭上がんなくなってるのよ。本人は気づいてないみたいだけど、仲間内では何となく光に優しいし、やっぱりそう言う事なんでしょうね…。私たちは、二人をこれからも温かく見守っていく事に決めたの…。(笑)


 あ、ごめん。悪い顔出ちゃってた?フフフ…卒業式の第二ボタン戦争の時とか、すごい面白かっ-…酷かったのよぉ。この話も聞くぅ?ねえ、聞くぅ?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る