四月二日、休み時間
…え?俺も人の事言えない?オタクだから?…何回言わせるんだよ…オタクだって、何の引け目も無くオタクやってる訳じゃないんだぞ。
群がるお前らリア充の圧力から耐え忍び、一つの愛を貫き通し-…お前、ちゃんと聞けよ!
…はぁ、もういいよ…。ああ、そうそう、藤森の事だよな。あいつひでぇんだよ。中学の頃はクラスがずっと一緒だったし、何でかいっつも席が近かったし、なし崩し的に仲良くなったっていうか…まあ、腐れかけた縁みたいなもんだよな。
最初の頃は、あいつも普通の女子だったような気がするんだけどなあ…。周りにいた他の女子が落ち着き始めて、女子同士で仲良くしだした頃から、だんだん化けの皮がボロボロと…(笑)
確かに、昔からミーハーだったよ。イケメンな先生とか先輩とかに、とにかく弱い。俺も何回ダシに使われたもんか、分からないよ。
あと、同級生の誰々が付き合ってるとか、そういう噂にはとにかく聡かったなあ。毎回どこから情報を仕入れているんだか…。何回聞いても教えてくれないんだよ。
結城…あ、
でも、今日の授業見ただろ?結城ってああいう感じだからさ、二人でいっつも喧嘩してたよ。んで、それを収めるのが俺と
…え?付き合ってるのかって?誰と誰が?
…………俺と藤森が!?無い無い!
っていうか、お前それもう二度と言うなよ!何でって…俺が藤森に死ぬほど殴られるんだよ!
物理的なやつじゃなくて、精神をねちねちしつこく攻め立ててくるからな!中三の時なんて、すっかり治まるまで丸々ひと月かかったんだぞ!
藤森の前でそれ、絶対言っちゃだめだからな!?何をニヤニヤしてるんだよ!だから、そんなんじゃないんだって!
…おお、お前も言うな…。聞かれない様に気をつけろよ…。情報収集とかについては、あいつマジ忍者だから。
そうそう、何だかんだで面倒見はいいかもしれないな。そこはあいつのいい所だと思う。うん。
うん、ちょっと癖は強い奴だけど、悪い奴じゃないから、仲良くしてやってくれよ。…まあ、お前なら藤森がもう目をつけてるかもしれないけど…。うん?いや、こっちの話だ。
あ、予鈴鳴ったぞ。ほらほら、次の授業始まるから、席に着かなきゃダメだぞ。
…優等生ぶってないよ!予鈴が鳴ったら席に着くのは当たり前だろ!ほらほら、あっち行けよ!続きは次の休み時間にでも話してやるから!
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