#10 エクシア

支援魔法、まずは攻撃力強化系からだ!


全速力で街を駆け抜け、商店街を抜けようとした時、


「きゃっ!?」

「うぉ!?」


ギリギリで体を止めようとしたが、遅かった。買い物を終えたのであろう女性とぶつかってしまった。


「いったぁ...」

「す、すまん!大丈夫か?」

「う、うん。ちょっと擦りむいたくらいかな」

「そうか、ちょっとそこで絆創膏を買ってくるから待っていてくれ」

「あ、いいよ。治せるから」


そう言うと女性は擦りむいた肘に手をかざし呪文を唱え始めた。


「[キュアー]っと」


すると、たちまち傷口は塞がり、もとの綺麗な素肌に戻った。


「君、回復魔法が使えるのか?」

「うん、私ヒーラーだから」


職業[ヒーラー]、主に回復魔法を得意とする支援魔法を専門とする職業。これは奇跡。


「支援魔法はどれくらい使える?」

「え?うーん、だいたい、使える、かなぁ?」


これに乗らない手はない。


「君、名前は?」

「え、エクシアだけど...」

「エクシア、俺にその支援魔法教えてくれないか!?」

「え、えぇ!?」


こうして俺は初対面の女性–エクシア・マーハードの指導の下、支援魔法を教授してもらうことになった。


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