#8 ケツイ

あのクソ女ーー!!!


俺はアリスと別れ、怒り気味で宿に向かっていた。


『貴様は使えるスキルの数が少なすぎる。有用になる物を使えるようになれ』


そうアリスは言った。全てを見せたわけではないのになぜそんなことを堂々と言えるのか理解に苦しむ。


宿に着きベッドの上に寝転がって自分のスキルを考える。別にあの女に干渉されたからではないが。


「...火、雷、風、水、氷...。基本は全部できてんだよ...」


人差し指に意識を集中させ、ロウソクの炎程度の火を出す。


「有用なスキルなんてそんな簡単に習得できるわけないだろ...」


今までアリスほどの能力者を見たことがなかったため、参考になるものがない。アリスに聞くのもなんかアレだし...。


「ギルドマスターに聞いてみるか...」


そう呟き、目を閉じた。

あの女には絶対に負けねぇ。

改めた決意を胸に俺は深い眠りについた。

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