#7 ヨカン
〜月日は流れ、現在〜
「...ニヤァ」
ちきしょーーーー!!!!!!!!
アリスはギルドに戻ってくるといつも俺に笑みを浮かべ、そそくさと帰っていく。報酬は依頼主である俺に渡されるのだが、全く嬉しくない。
「おーい、彩雲!またアリスに越されちまったらしいなぁ!!」
「先に着けさえすれば俺だってなぁ...!」
「無理無理。アリスの奴、子供の頃から[千里眼]スキルが使えてたらしいから」
「さすがは伝説の勇者の孫娘って感じだな!」
俺とアリスは大抵パーティを組んで現場に行く。全く仲良いわけではないが目的は同じというわけでお互い了承した。結果は言うまでもない。
「ま、次頑張れよ!」
「そうだぞ!次があるって!」
「お前らいつもそれだな...」
ギルドを後にし、宿に向かう。
「あー腹立つ。[千里眼]とかずりーだろ」
「生まれ持ったもんでな。貴様も頑張れば似たようなスキルは使えるのだぞ?」
「うぉ!?」
見るといつのまにか横にアリスがいた。
「な、なんだよお前!びっくりしたじゃねーか!」
「すまんな、少し気がかりなことがあって」
「あ?気がかり?」
「悪魔の気配が強まっている。この半年以内にここに攻め込んでくるのだろう」
「なに!?魔王のやつか!?」
「分からないが...」
「それが気がかりなのか?」
「いや、違う。それまでにお前に強くなってもらわなくては困るということだ」
...はぁあぁあぁ!?
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