13歳、わたし嫁ぎます。
@tai-ken-tyy
第1話 女になった
ついに来たのか、この日が。
赤いシミを見つめながら、ため息をひとつ。
そうね、ため息くらい許されるよね。
朝からお腹の真ん中辺りが痛かった。便秘みたいな、お腹が空き過ぎた時の様な。
チクチクチクチクと痛んだ。
これだったのね。うん。
モヤモヤした気持ちでトイレの個室を出て、上の空で授業を受けた。でも、どうするべきかわかっていた。もう数学も学ぶ必要なんてない。だってコンビニの買い物すらする必要はなくなるのだから。
英語なんて!家からも出る事がなくなるだろうに外国の言葉を学ぶ必要が?
歴史。わが家の歴史以外受け入れる事は出来ないと言うのに、歴史から何を学べと言うのだろう。
とにかく私には全て不要なのだ。ほら、わたしの様子が違う事に先生が気付いた。知っていたのよ、学校の中にも内通者がいるの。もう小学校五年生になるかならないか、そんな時から監視されていた。
「先生、気分が悪いので保健室に行っても良いですか?」
先生はホッとした顔をした。その後のなんとも言えない悲しい顔。私ともう二度と会う事がないと知っていたからだろう。
とにかく、家に連絡を入れなくては。
そして、今日わたしはお嫁に行くの。
13歳、わたし嫁ぎます。 @tai-ken-tyy
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