EpisodeⅠ:人狼百年戦争

第一話:白磁の少年、19世紀後半にて、巻き込まれた電車ハイジャックを解決する。

拝啓、突然ですが死にそうです



 拝啓、父さん母さん、お元気ですか? 俺は今、死にそうです。


 俺は今、異世界の空を落ちています。

 空を飛んでいるんじゃありません。……


 青い空の元、俺は宙に放り出され、叩きつけられて死ぬまであと一分も無い感じです。

 そんな中、走馬燈のように時間の感覚だけがゆっくりになっています。そのゆっくりな時間を利用して、この文章を頭の中で考えています。


 つまり、死にそうです、俺。死ぬまで秒読み入ってる状況って奴です。



 落ちながら俺の口から出る言葉を聞いてみるとよく解ります。


「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


 そらまぁ……叫んでるよな。


 ちなみに、この異世界にはとんでもなく頑丈な人や事実上不死の人も出てくるが、もちろん


 つまるところ、とてもピンチという奴なのだ。本当に。




 まだ落ちきるまでには(体感的には)時間がありそうだし、何でこうなったのかを書き起こそうと思う。主に脳内で。


 あれは今から三十分前……いや、四十五分前までさかのぼった方が解りやすい……



 とにかく、俺が今言えることは一つ。




「助けて!! せんせぇぇぇええええ!!」





 なんでこうなった!!

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