棺の中に入れるもの
棺の中に入れるもの、これは葬儀を行う中で一番の鬼門ではないのかと考える。
まず、亡くなった方が何が好きだったのか、何を入れて欲しいのか直接本人に聞けない、わからない。なんとなく気持ちで、手紙とか、いつも食べてたお菓子とか、ビールとか、入れてあげたいけど、入れていいのかわからない。
入れていいですよ?と言われても、これは違う!と恨まれるのではないかと不安になる。反対に、もう死んでいるからという理由でいらないものまで勝手に布団の中に押し込む人もいらっしゃいます。
家に帰れば、部屋に行けばいっぱい見つかるはずなのに、葬儀の日にそんな時間、余裕はない。
そしてさいごのお別れの時に、葬儀スタッフによって手渡されたお花を渋々入れる。中にはお花嫌いな女性、お花が似合いそうもない男性、でもなぜかたくさんのお花に囲まれたあなたを見ると、どうしようもなく切なくなる。
仕事から離れてみると、これはだいぶまずい状況なのではないかと思う。
ただ、時間がないのも事実。そのためにも棺の中に入れていいもの、いけないもの、自分が入れてほしいもの、入れてほしくないものを事前に控えておくのは大切なことだと考えます。
まず、火葬場によっても規則はそれぞれ異なりますが、一般的に棺の中に入れてはいけないものは不燃物と考えたほうがいいです。火葬、とあるように燃やすのですから、プラスチックや金属、ガラスや陶器、電池やよくわからない燃えない素材はエヌジーです。具体的に言えば、部分入れ歯や補聴器、時計、ライト、杖、少し年寄り臭いって?その外にもパソコン、携帯、CD、DVDももってのほかです。
厳しいところは洋服のファスナーやボタンでも、感知器にひっかかりブザーが鳴るともいわれています。また、大量の本や、巨大で大量の千羽鶴、野球のボールやゴルフボール、大量のぬいぐるみや毛布などもあまり宜しくはありません。燃えカスが残ったり、ご遺骨の状態が悪くなったり、色がついたりするからです。
ただ、葬儀社によっては入れることができないものを棺の近くに飾ったりお供えしたり、中には写真で撮影してその写真を棺の中に一緒にという案内をしてくれる会社もあるそうです。さらに、CDはジャケットや歌詞カードを、分厚い本などはそのカバーを入れるように提案してくださいます。
また、一番悩むのが食べ物、飲み物。
スーパーやコンビニで急きょ準備したもののほとんどは、プラスチックでできた容器や袋に入っています。ペットボトルも入れることはできません。しかしそれらも、中身を開けその一部を紙コップに入れたり、紙皿や紙でくるむことによって一緒にすることができます。本当に葬儀社の人はいろいろ考えているなと思う、今日この頃です。
しかし、それだけではやはり私は満足しませんので、今ここでもし私が亡くなったら棺の中に入れてほしいものをリストアップしていきます。
好きなを本2、3冊。厳選したアイドルのブロマイド5枚。終活ノート、よく聞く音楽CDの歌詞カード、好きな画家のポストカード、大好きなプリン。
よーく考えると、そんなに入れる必要もないのかもしれませんね。多い、少ないはさておき、最終的にはこれらの上に家族や集まってくれた皆さんからお花も手向けてもらうことになります。
そのお花が自分の嫌いな色だったらいやだなあ…。
次は祭壇です。
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