mobの休日 男だけで遊園地

もえすとろ

congratulation!

連休の予定として、普段のmobはどんな事をするか

デート?まったく違う

勉強?それもあり得るが違う

じゃあ何か?

それは勿論、友達と遊びに出かける!だ

行く場所はゲーセンだったり、誰かの家だったり

まぁ、その時の気分だ

普通だろ?

でも、今回はちょっと違う

今回は前もって予定というか計画を立てていた

それは……


男3人で遊園地へ行く!


最近名前持ちネームドの二人のせいで付き合いの悪い俺が画策した、友情回復計画!

BもDも最近遊べない俺を避けるようになってきた

これはマズイ!非常にマズイ!

このままだと俺はボッチになってしまう……

友達を大事にする、最近の俺に足りなかったのはコレだっ!


まぁ、そんな訳で一週間前から声をかけて準備を進めてきた

その間、名前持ちの二人から連休の予定を聞かれたりしたが

全てはぐらかして何とか誤魔化した

俺は久々に名前持ちの彼女らから解放される!

これで落ち着いてmobライフを堪能できる!

mobである俺はmobらしく平凡な日常が一番なんだよ!


誘ったのは俺だから遅刻しないように早めに着くように家を出た

電車に乗って遊園地の最寄駅へ向かう

楽しみだなぁ……

ジェットコースター乗って、お化け屋敷とか入って……

うん、最高に楽しみ!


もちろん道中も何も無く、予定通り遊園地へ到着する


待ち合わせの時間まで……まだ30分くらいあるな

さてと、まずはマップの確保して

おお、ここジェットコースター4つもあるのか!!

これは制覇しないとな!

んで、軽食は……この辺か

何が売ってるかまでは載ってないか……

なんか美味そうなもんあるかなぁ

ん?このお化け屋敷、デカくね?え?コレ建物一棟丸々お化け屋敷か?

スゲーな……これは……

BとDが苦手だったらパスかな、うん


はぁ~~~~~、早く来ないかなぁ!

そんな時、突然スマホが鳴った

俺「お、そろそろ着くって連絡かな?律儀だなぁ」

画面に表示されたのはBからの着信だった

電話?もしかして迷ったとか?


俺「もしもーし」


B「あ、Aか」

なんか声が暗い……?


俺「おう、どーした?」


B「すまん!!」


俺「んっ⁉いきなりどうした⁉遅刻しそうなのか?」


B「いや、そのさ……」

なんとも歯切れの悪い


俺「どうしたんだよ?」


B「実は……今日行けなくなった!ゴメン!!」

ツーツーツー……


え??切れた⁉

行けなくなったって……ドタキャン?

今までアイツがドタキャンなんて一回もしたことないのに……

どーしたんだ?ケガとかじゃないよな?大丈夫かな……

心配だ……かけ直してみよう

スマホを操作しようとすると、今度はDの奴から電話がかかってきた⁉

俺「おう、Dか」


D「ああ、実はお前に謝らないといけない事がある」


俺「まさか。お前も……」


D「Bの方が先に電話したか、なら話しが早い。今日は俺も行けない」


俺「どーしたんだよ⁉なんで当日にいきなり行けないとか!どういう事だよ!」


D「そう、だな。全部話すよ。実はな、昨日の放課後に俺とBのとこに南城さんと堀北さんが来たんだ」


俺「なんで、南城さんたちが」


D「そんで、聞かれたんだよ。連休の予定を」


俺「もしかして……」


D「ああ、Bのやつがつい口を滑らせたんだ」


俺「あいつが……」

うっかり過ぎだろ!俺の苦労をどうしてくれる!


D「あいつの事責めないでやってくれ。南城さんと堀北さんに詰め寄られて口を割らないmobはいない……」


俺「そうか……まぁ確かに、あの二人から詰め寄られれば仕方ないよな……でもなんでドタキャンなんてするんだ?それならそうと昨日の時点で言ってくれれば」

計画を延期しただけなのに……


D「堀北さんから口止めされてたんだ……もし言ったりしたら」


俺「消される、かもな……ほんとに何なんだよ……名前持ちってのはさ」

名前持ちの邪魔をするmobに生きる権利は、ない


D「それで、今から伝えるのは……お前にとって辛い事かもしれん」


俺「なんだよ?ボッチで遊園地前に居る以上に辛いことってあるか?」


D「あの二人が、もうすぐそこに着くはずだ」


俺「あの二人って……まさか」


D「ああ、南城さんと堀北さんだ」


俺「くそっ、折角の休日だってのに!」


D「すまんな……じゃ、じゃあ頑張ってくれ」


俺「その、俺のせいで大変な目に遭わせてゴメンな」


D「いや、俺たちこそ」


俺「Bにも伝えといてくれ、次こそ遊ぼうって」


D「ああ、わかった」


俺「また学校でな」


D「また学校で」



すーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

はぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


落ち着け、まだ回避できる可能性もあるはずだ

もしかしたら今から帰ればまだあの二人にも合わずに済むかもしれない!

俺「よしっ!」


南城「何が、よしっ、なの?」


俺「うわぁ⁉」

な、南城さん⁉くそ、間に合わなかったか⁉


俺「な、南城さん?どうしてここに?」


南城「私だけじゃないよ、春香もいるよ~」


堀北「待ったかしら?」


俺「いや、ぜんっぜん!」

待ってる訳ないでしょ!


南城「そっか、よかった!それじゃ早く中行こ!」


堀北「そうね、行きましょ」


俺「あ、ああ、行ってらっしゃい」


南城「え?君も一緒に行くんだよ」


堀北「とぼけても無駄ですよ?BくんとDくんから連絡あったでしょ?」

なんでそれを!?


俺「……はぁ~、分かった!分かりました!行けばいいんでしょ!」

なんで、こんな事に……


チケット売り場でチケットを買って、入場ゲートの列に並ぶ


俺たちの番になり係員さんにチケットを渡す


ゲートを抜けると何故か一列に並んだスタッフの人たちが待ち構えていた

なんか嫌な予感がする……


スタッフ一同「おめでとうございます!!」


俺「な、なんだ⁉」


スタッフ「あなた方は当テーマパークの10万人目の来場者です!」

じゅ、十万人目⁉


スタッフ「こちらの特別パスを進呈します。このパスがあればアトラクションの待ち時間を短縮できますよ!」


南城「わーい!やったね!これでいっぱい楽しめるね!」

そんな呑気なっ……まさか名前持ちにとってはコレが日常、なのか……⁉


スタッフ「そして、まずはここで記念写真を撮りたいのですが」

え⁉ちょっ


堀北「いいですよ」

俺の意見は~⁉


スタッフ「はい、では撮りまーす。ハイ、チーズ」

パシャ

スタッフ「すぐにプリントしますから少々お待ちください」


1分程度で3枚の写真プリントし専用の台紙に挟み渡してくれる

台紙には『10万人目の来場者様』の文字が入っている


スタッフ「では、行ってらっしゃ~い!当テーマパークを存分にお楽しみください!」



なんでこんな事に……

俺の平凡な休日が……

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