本田文彦の起床とライトノベル

 僕、本田文彦は17歳

 

 某地方都市に住んでいて、ごくごく普通の高校に通っている。

 

 家族は両親と弟と僕の4人家族

 

 よくあるラノベのように、親が海外にいるわけでも、何か深い理由で一人暮らししているわけでもない。

 天然で巨乳な眼鏡をかけた姉もいなければ

 眼鏡をかけたツンデレで貧乳な妹もいない。

 

 ごくごく平凡な家族構成だ。

 

 そんな朝もいたって普通、スマホの目覚まし機能で目を覚ます。

 残念ながら毎朝起こしてくれる眼鏡をかけた幼馴染はいないから、自分で起きるしかなかった。

 

「うーん」

 

 ゆっくりと伸びをした後、僕は体を起こす。

 

 体が重い、動きが鈍い

 朝起きた時はいつもこんな感じだ。

 ラノベを読んでいるせいか、僕は夢の中で様々なセカイを巡り冒険を繰り広げる事が多かった。

 夢の中では自由で、魔法を、剣技を、様々なアイテムを駆使して縦横無尽に、俗に言う俺TUEEEな活躍をしていた。

 でも、それは夢、空想の中だけの話なわけで……

 

 目が覚めて体を動かすと、自分の体がいかに脆く鈍いのかを実感できる。

 仕方がない、現実リアルでの僕は、特に運動が得意なわけでもないのだから。

 

 着替えをすまし、食事をすると、時間が空いたのでラノベを読む。

 

 ラノベライトノベルは、中高校生をターゲットにしたライトな作風の小説を差すジャンル名だ。

 どの作品がライトノベルにあたるか、これまで数多の定義付けバトルを行った結果、特定レーベルから発行される小説をラノベと指すようになった。

 

 どのレーベルがラノベを指すのか?

 これに関して話し合うと、千日戦争になってしまい、勝負は永久につかないわけなのだが……

 

 個人的に

 

 個人的には、「角川スニーカー文庫」「富士見ファンタジア文庫」「電撃文庫」「ファミ通文庫」「MF文庫J」「ノベルゼロ」は、鉄板のライトノベルレーベルだってキミラノの参加レーベルだもんだと思っている。

 

 

 今、読んでいたのは「異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する ~レベルアップは人生を変えた~」(富士見ファンタジア文庫:美紅著)だ。

 ご都合主義と思えるほどのチートな主人公の物語だけど、朝のあわただしい時間の中、さらっと読んで爽快な気分になるにはいい作品である。

 

 速読派の僕だけど、さすがに朝の通学前の時間では、読み切ることはできず、栞を挟んで学生カバンにいれる。

 

「行ってきます!」


 玄関から台所にいるであろう母に告げると、僕は学校へ向かった。

 

 自宅からバス停まで5分

 バスに揺られて30分で学校前のバス停

 というのが、僕の通学パターンだ。

  

 玄関を出てすぐ、紺色パーカーの少年に会う。

 近所の人、……ではないと思う。

 

 あまり周りを気にしない僕だけど、さすがにはじめてあう人物かどうかはわかる。

 

 それに

 

 目がどんよりとくらく澱んでるように見えた。

 しかも、僕を睨んでいたようだった。

 

 ちょっと恐かったが、気のせいだろう。

 僕はスマホのアプリを起動させながら、バス停に向かった。

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