第2話 接触

「っ…」

めがー、めがー…。

というのはさて置き、木にもたれかかっている訳なのだが、まずは街に行かなくてはならない。


「道がわからんし、誰かの助けがあるとも思えないからな…」

腰に木刀が刺さっているのでこれで多少の金は稼げるな


「よし、1狩り行こうぜ!!」

なーんて、一人で話しているやべえ奴なのだが、まずはどんな奴を倒せばいいんだ?

この世界がよくわからない以上やはり街で情報を集めるしかないか…


有無。見渡す限り今いる木以外は何もない平原なワケだが…


「ん?アレは、チーレム野郎…」

俺より先に出てったので街には既に付いているだろう。ということは、彼奴に聞けば街の場所がわかるな





「そこの強そうなお兄さん。街ってどちらにありますか?」

「街なら向こうですよ」

と指をさして教えてくれた。


「ありがとうございます」

「いえいえ…それでは自分はこれで」


すっげえ…THEチーレム野郎って感じの雰囲気だった…

なんていうか誰にでも優しく悪は許さない的なオーラがすごかった。


「まあ、あいつと関わることなんてもうないと思うしいいか…」

俺は教えてもらった方角に行った。




「おぉ、なかなか活気ある街だな…」

街に入った瞬間はそう思っていたのだが実際は王都だったらしくしばらく街を歩いていたところで城を見つけたため少し前の発言が恥ずかしくなった。



「ようこそ、今日はどんな御用でしょうか?」

ギルドの受付さんが聞いてきたので冒険者登録をしたいと話したところ少し血が必要ということらしく針で血を出した。


「はいっ、これにて冒険者登録完了です。魔法適正の方もご確認いたしますか?」

基本YESマンなのでお願いした。

「あー、魔法適正はない…みたいですね」

「そうですか。まあなくても何とかなりますよね?」

「はい、もちろんです。パーティで足りない部分を補えば問題ありません」

パーティ組まんといけない感じなのかな?まあやれるところまでソロでいいや

ありがとうございました。とお礼を言って掲示板へ向かった。


「あー、これとか行けそうだな・・・」

俺が選んだのは『キスプエイプ退治』だ。

キスプエイプとかいうのが何なのかわからないので受付さんに聞いたところ見た目はゴリラのような感じらしい。毛は白く、雪魔法を使って攻撃をしてきたりするらしい。2本の牙でとどめを刺し喰らうそうだ。

「じゃあこれ受けます」

「本当に受けるんですか!?これはDランクの方が適正なんですが…」

「駄目そうだったら諦めて帰ってくるんでお願いします」

「本当に帰ってきてくださいね?」

無理そうなら諦めるという条件でクエストを受けた。



「ふむ…。しかし一人ってのも結構さみしいものだなぁ…」

キスプエイプが出現する場所に向けう途中で数組のパーティと出会った。

みんなクエスト終わりなのか気が緩みまくり楽し気に談笑をしていた。


そんなことを考えているうちに出現場所に到着した。



「えっと…、キスプエイプは縄張り意識が非常に強く部外者が立ち入るとすぐに現れます」っと。

今読んでいるのは、『これであなたもモンスター物知り博士』

という本だ。

ギルドの受付さんからもらったもので割と役立ちそうな情報が多い。


「gurarweaeram ekjkafkamndkfsafaksm;lrikeoarwamdwkjrdoiawfrm」

「なんだ…、なんて言ってるんだ?」

あいにく日本語しかわからないためどうしようもないが、推測で言えば『俺の縄張りに入るんじゃねえ』的な感じのことだろう


「さてと、初めての戦闘。木刀でどこまでやれるのかな…?」

怪しげに笑っていることに本人すら気が付いていないのであった。

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