チーレム野郎は狂人には勝てない

黒猫

第1話 チーレム野郎は狂人には勝てない



17歳という若さで死んだ場合、ラノベを読んでいる奴は一度は考えた事があるのでは無いだろうか…

『異世界へ転生しチーレム主人公になる』

と言った物である。


だが、現実はそう甘く無いのである。


西川高校2年、西蓮疾風さいれんはやては、生まれつき極度の貧血持ちであり激しい運動が行えなかった。

夏休み、少しコンビニへ出掛けるくらい大丈夫だと思い、外出したところ還らぬ人となってしまった。


「西蓮よ…起きたか?」

目の前に白い髭を長々と生やした老人がいた。

「起きましたけど、自分は死んだはずでは?」


「確かに死んだな…、だがその体質のせいだいぶ苦労してきたのではないか?」

俺は少しイラついてしまい、

「同情してんのか?そんなんは要らない。はっきり言って迷惑だ…」

と言い放ってしまった。


「無神経なことを言ってしまいすまなかった…」

「いいですよ、それで何か用事ですか?」

「それなんだが、異世界へ行くつもりはないか?」


俺が異世界へ?

「何か条件でもあるんですか…?」

「いやいや、よくある魔王を倒して貰おうと思ってね」


「はあ…?それで、このまま戦えと?」

「それはない。2つから選べての?1つは、チートの力と女子からモテモテになるようにするがどうかね?」


チートの力とモテモテねえ…。

正直、女性と関わるのはめんど臭いから要らないな…

「その力は要らないです。めんどくさくなりそうなんで、まあ次にきた奴にでもあげてくださいよ」


「そうか…変わった奴じゃな。2つ目が武器を持つと狂人になってしまうという力なのじゃが…」


そっちの方が俺的に気が楽だ。

「そっちでお願いします」

「そ、そうか?初めてじゃよこっちを選んだのは…」

やっぱみんなチーレム系が良いんだなぁ。

「それで、力をもらった後にこの空間で修行させてもらえますか?」

流石に力を貰って転生先で大暴れからの死亡なんて、生き返る意味がない。


「好きなだけやってくれ。こっちの時間は向こうじゃミリ単位で動いてるようなもんじゃからな」


「ありがとうございます」


老人の仕事の邪魔をしないように、ある程度離れて行っていた。



羽田圭介はだけいすけお前は死んだ、異世界に転生してもらうが、この力を授けよう」


「チーレム主人公になれるんですか!?

やった!!。魔王を倒して、ハーレム築いてきます。」


よりによってクソほどアホな奴が来ちゃったな…


彼を転生させた後に老人に近づいて話かけた。


「彼奴、大丈夫ですかね…」

「心配じゃなぁ。まあ、これも運命。何かあったら頼むぞ」


何かあったら頼むって…

「殺してしまっても…?」

「必要に応じてじゃ。まあ、簡単に殺せないさ。これから奴はいろんな国の皇女や王女の夫となるのだから」


確かに…俺が処刑されかねないな。


「そろそろ自分も行きます」

「君の方が奴よりも強い…だがあまり関わらず出来るだけ争わない様にの」

「はい」


返事をした後意識が薄れていった。

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