第2話

「おはよーゆいちゃん」


「あ、おはようございます!」


あわわ、驚いて振り返るとそこには

身長165センチくらいの小柄な男がいた

斜め分けの前髪、とんがった靴、スーツを着ている、涙袋がはっきりあって愛嬌のあるかわいい顔をしている。

タイムラインの写真と同じ...

この人がはやとさんだ!


「今日は急にごめんね?昨日はちゃんと寝れた?」


「大丈夫です!いっぱい寝てきました」


「そっか!良かった!ゆいちゃん、今日もがんばろーな!」


心臓がドキドキする。何故だろう?

これぐらいの顔ならそこらへんにいるのに。

私は考えた。ゆいちゃんはきっと10代の普通女の子で、まだ純粋なんだろう。LINEの画面も、やけに、はやとさんだけ目で追ってしまていた。この気持ちはよく知っている。

ゆいちゃんは、きっと

はやとさんのことが好きなのだろう。

そうなのか?そうなんだな。だとすればこの胸のドキドキに証明がつく。


「タイムカード押しとくから、裏でそのまま着替えてきて」


早口にはやとさんは言い、店のドアを開け

私はすっと中へ入った。


「お!ゆいちゃんじゃん

これから出勤?指名するわ」


ソファに深く腰掛けたふくふくと膨らんだ男が声をかけてきた。

すぐさま横にいた女が

肩に手を回し、


「だめよ!タカちゃんにはれいらがいるんだから」


と言った。


私は軽く会釈して休憩室へと向かう。

高価な酒が並ぶ店内はキラキラと光り

さらに薄暗く誰もが艶やかに見えた。

そして、白と黄色を基調にしたドレスに着替えたゆいちゃんは白雪姫のように美しかった。自分に見とれるのも変だが、

あのおぼこさは消え20代前半の綺麗な女性へとゆいちゃんは化けていた。


ゆいちゃんは一体なんのためにこんなことをしているのだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る