土岐頼芸たちへの弁明
直営株式商家「東天竺屋」を設立して暫く経ち、九條稙通卿と服部半蔵が美濃へとやって来た。
その一行には、螺鈿細工や漆器職人などの細工物の職人たちも帯同していた。
九條稙通卿は、朝廷より土岐頼芸様へ神宮領回復の労いの書状を持ってこられた。
その後、白川伯王家の白川雅業殿が神宮から感謝の書状を持ってこられたので、土岐頼芸様たちへ弁明に向かった。
九條稙通卿自ら朝廷からの労いの書状を持って来られたこと、朝廷や神宮から書状をいただいたことで、土岐頼芸様たちは戸惑っていた。
その場にて勢いで弁明したからか、九條卿が側にいたことが功を奏したのか、御咎め無しとなった。
九條卿や白川雅業殿が下がられた後、再度呼び出され、琉球までの交易について問われた。
本当は志摩の件を咎めて、自分たちも交易利権に噛ませろと言うつもりだった様だが、朝廷や神宮の御墨付きをいただいてしまっているので、遠回しにしか言ってこない。
なので、琉球との交易は義兄の織田弾正忠と合同でやっていることや、銭や交易品の持ち出しは弾正忠家の方が圧倒的に多いことを説明する。
交易に参加したいなら、弾正忠家と仲介しますと申し出たところ、頼芸様や重臣たちは、他国の陪々臣が主の交易など参加出来ないと言われた。
頼芸様たちは交易に加わらないものの、このまま蚊帳の外だと恨まれそうなので、頼芸方の国人領主の産物を購入させていただきたいと申し出たところ、志摩攻めの功労として許可された。
遠回しに、商人が買うより上乗せした価格で買えと言われたので承知する。
頼芸様としても、生産を奨励している美濃紙を大々的に販売したいのもあり、お互いの利益が合致している形だ。
後で、土岐頼芸方に味方する商人も紹介してもらえる様である。
美濃の外に持っていけば、もっと高く売れるしな。交流のある土佐一条など喜んで買ってくれそうだ。
この交易の話し合いについて、守護たらんとする土岐頼芸様方は、利益よりプライドを優先した様だ。これが弾正忠だったら、利益を重視して、嬉々として参加していただろう。
まぁ、弾正忠がこの時代では変わっているんだろうな。
呼び出しを終え、養祖父である西村勘九郎と養父の西村新九郎と話をした際は、養祖父勘九郎には苦笑されつつも、志摩を攻め取ったことを誉められた。
琉球との交易に噛みたいものの、土岐頼芸様たちが加わらない手前、加わるつもりは無い様だ。
養父新九郎からは特に誉められることもなく、相変わらず極道顔で無表情で、何を考えているか分からず不気味である。
豪放磊落な極道顔の勘九郎に対して、無表情で何を考えているか分からない新九郎の差が激しい。
取り敢えず、琉球交易で当家と弾正忠以外が加わることは無くて良かった。
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