美濃柴犬を飼い、狩りの準備をしよう
中井戸村の生活力向上のため、狩りをするようになったのは良いが、狩りをするにも、猟犬がいたほうが効率が良い。
そのため、当家でも猟犬を飼うことにした。
美濃ということで、美濃原産の和犬である美濃柴犬を飼おうと思う。
美濃柴犬は美濃の地柴で、主に、猟犬や番犬として使われていた。しかし、大東亜戦争の影響で減少し絶滅しかけたが、愛好家の手によって何とか生き延びた。21世紀では、ある程度頭数が回復したが、絶滅の危険性が未だに高い犬種なのだ。
美濃柴犬の特徴は、毛色が赤一枚であり、濃赤・赤・淡赤が存在する。顔付きは、柴犬と同じタヌキ顔である。
そんな未来では貴重な美濃柴犬の仔犬を近隣の猟師から譲り受ける。濃赤と赤の二頭の仔犬を飼うことにした。
濃赤は「松」、赤は「竹」と名付ける。猟犬としての、躾は猟師に協力してもうこととなった。
屋敷にて、松と竹の面倒を看ていると、黒田重隆がやってきた。
黒田重隆は屋敷が出来た頃から、下野守を自称し始めている。
「下野守、どうした?」
「殿、猟犬までお飼いになり、狩りを本格的にするようになりました。
しかしながら、殿は現関白様の御実子という尊貴な生まれなれば、何らかの謗りを受けるやもしれませぬ」
「そんなこと言われてものぅ。狩りをして肉を取らねば、食い物が減るぞ」
黒田下野守の言葉に、わしは困惑する。
「されば、信濃の諏訪大社より勧請して諏訪神社を建立しましょう。諏訪大社では鹿食免というものがあると聞きます。
鹿食免があれば、狩りで得た肉を食べても問題ないでしょう」
「おぉ、それは良い案だ。しかし、諏訪大社との伝手なんぞ無いぞ?」
黒田下野守の名案に感心するものの、諏訪大社との伝手が無いから更に困ってしまう。
「そこで、関白様にお願いし、紹介状を書いていただいてはどうでしょう?
それに、殿が作らせていた白粉も結構量が出来ております。
殿の安否の御報告も兼ねて献上するのは如何でしょう?」
「それは、名案だ。そろそろ父上にも報せの一つでも送らねばならんと思っていたところだ。
白粉を献上すれば、勝手に還俗したことを父上も許してくれるかもしれんしな」
黒田下野守は家臣筆頭なだけあり、良い案を用意していた。
年が明けてから、父稙家への使者を出すことにした。使者は黒田下野守と多羅尾光俊に行かせることにし、献上品の準備をさせることにした。最近手に入れた関刀や銭も持たせたほうが良いだろう。
父上や家族宛の手紙を書くことも忘れてはならないな。父上には頼みたいことが沢山あるしな。
そして、黒田下野守に肝心のことを命じる。
「そなたの家も出来たのだ。妻子を連れて帰るの忘れるなよ」
黒田下野守は嬉しそうに頷いた。
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