第6話 おしまい

四角い建物の中へ入るとそこにはカウンターがあり、【まいごセンター】と書いてありました。

「お嬢さん。どうしたのかな?」

カウンターにいたお姉さんが出て来て、屈んでちかちゃんと同じ目線にして話しかけてきました。


「お姉さんこんにちは。ちかちゃん迷子になっちゃったんです。お母さんとお父さんを探してます。」

ちかちゃんは、ハキハキと答えました。

「あら?ちかちゃんて……もしかして!ちょっと待っててね!」

そう言ってお姉さんは、カウンターの奥に入っていってしまいました。

すぐに戻ってきたお姉さんの隣には、ちかちゃんのお母さんとお父さんが!

「ちかちゃん!」

「ちかちゃん!」

「お母さん!お父さん!」

ちかちゃんもお母さんもお父さんもすぐに走り寄りぎゅーっと抱きしめあいました。


「ちかちゃん!どこにいってたの!?」

お母さんの目には涙が溢れていました。

「ちかちゃん!本当によかった。心配したんだぞー。」

お父さんの顔には笑みが浮かんでいました。

ちかちゃんは、今まで我慢していた涙が一気に溢れてきて涙でぐしょぐしょになりました。

「うわぁーん!お母さーん!お父さーん!」


思いっきり泣いたあと、お姉さんにお礼を言って建物を出ました。

今度は、お母さんとお父さんとしっかり手を繋いで歩きます。

「ところでちかちゃん。そのメガネよく似合ってるよ。」

お父さんが誉めてくれました。

「ありがとう!お父さん。このメガネスゴいんだよ!このお耳、どうぶつさんの声が聞こえるの!おしゃべりできるんだよ!」

ちかちゃんが自慢気に言うと、お母さんもお父さんもニコニコしました。

「それは良かったわね。」

「うん!どうぶつさんにいっぱい助けてもらったんだよ!

あ!おばあちゃんにもありがとう言わなくちゃ!」

ちかちゃんは、みんなにいっぱいいっぱいありがとうと言いたい気持ちになりました。

「ちかちゃんなんだかお姉さんになったみたいだなぁ。」

「だってちかちゃん!今日で4歳のお姉さんだもん!」

三人は、ぎゅーっと手を繋いでニコニコしながら退園ゲートをくぐりました。


「ちかちゃん。また、来てね」

どうぶつえんから聞こえた気がしました。


「また、遊びに来るね!ありがとう!バイバーイ!」

ちかちゃんは、振り返りどうぶつえんの入り口に向かって叫びました。



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お誕生日のどうぶつえん @Eve_1224

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