第3話 大家族
レッサーパンダさんたちの優しさに触れてちかちゃんは、少し勇気が出てきました。
今までちかちゃんを覆っていた悲しみが少し和らいだように感じました。
ちかちゃんは、レッサーパンダさんたちに教えてもらったミーアキャットさんたちのお部屋へやってきました。
無数に広がる小さな穴から、あっちからこっちからとたくさんのミーアキャットさんが出たり入ったりしています。お山になっている所には、数匹のミーアキャットさんがピンっと立ち上がって周りをキョロキョロと見回していました。
「ミーアキャットさん。こんにちは。」
ちかちゃんが挨拶をすると、お山に立っているミーアキャットさんたちがまぁるいおめめをくりくりさせながらこちらを見ました。
「こんにちは。今日はいいお天気ですね。」
ピンっと綺麗に立ち上がったミーアキャットさんは、とても礼儀正しい方でした。
「ちかちゃんのお母さんとお父さん知りませんか?」
ちかちゃんも思わず礼儀正しくなります。
「おやおや。迷子になってしまったんですね。そうですねぇ。何か、目印になるものはございますか?」
礼儀正しいミーアキャットさんに言われてはじめてちかちゃんは、気づきました。
そっか!目印が無くちゃ、みんなはどの人がちかちゃんのお母さんとお父さんかわからないんだ!
「えっと、お母さんは髪の毛にお星さまの形をした飾りをつけてて、お父さんは、メガネをかけてるよ。」
「うーん……それだけでは、ちょっとわからないですねぇ。」
礼儀正しいミーアキャットさんは、困ってしまいました。
「あ!そーだ!お母さんもお父さんもちかちゃんと同じくまさんの絵が描いてある同じ服を着ているよ!」
「おぉ!それでしたらわかるかもしれませんね!みんなに聞いてみましょう。」
礼儀正しいミーアキャットさんが他のミーアキャットさんたちに聞いてまわってくれました。
すると、一匹の小さなミーアキャットさんが「それなら私見ましたよ!キョロキョロしながらキリンさんとゾウさんの方に行きましたよ!」
と、教えてくれました。
「わぁ!ありがとうミーアキャットさんたち!」
礼儀正しいミーアキャットさんたちにお礼を言って、ちかちゃんはキリンさんとゾウさんのお部屋へ向かいました。
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