夏恋

彩 ともや

夏恋

空が青いのは何故ですか

花による蜂たちが

求めているのは蜜だけですか


去年の夏の終わりごろ

花火の開くその下で

僕らの手が触れあった

花火なんか見てなかったし

溶けていくかき氷が

少し寂しそうに僕の手の中にいた


夏の終わりが近付いていたんだ

僕らの知らない

僕らの側で

永遠には続かない

時間が流れて

過去になる

未来は見える?

見えなくていい

のびる僕らの行く道は

どうせたったの1つだろ

けれどその道決められたのは

僕らじゃなくて

僕らを取り巻く環境だって

気付いているのに

気付かないふりして

日々を過ごす


夏はとっても薄情で

僕らを残して去っていった

伝えられずに

季節が過ぎた

想いも過去になったなら

どんなに楽になるのでしょう


過去になるのは思い出だけで

想いはずっと絶えることはない

季節は巡る

僕らの中で

永遠に続きそうな

時間が流れて

想いが募る

伝えられない?

そんなのは

自分自身の問題だろ

勇気がなくて

留まり続けて

こんなの駄目だと分かっても

気付いているのに

気付かないふりして

僕らは別れる


残る後悔

噛み締めて

見上げた空はやっぱり青くて

僕は一人で歩き出す

蜂も蝶も

花弁にとまり

きっと蜜を吸うのだろう

甘い汁を口に含んで

求めているのは

何だろう

揺れる花弁と

一緒になって

過去になるのを待つように

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夏恋 彩 ともや @cocomonaca

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