例えば大事な人が病に臥せっている時に、自分がしてやれることは何か。その答えはきっと、お医者さんになってその人の体にメスを入れる以外にも沢山あります。
例えば、身近な知識をつけること。あなたが知らないだけで、世の中は自身を救う手段を持っているかもしれません。
例えば、その人に健康になってほしいと伝えること。その人が知らないだけで、乗り切れない原因は意外にも簡単なことにあるのかもしれません。
そして、それが上手くいかなかったとしても、泣いて後悔する必要はありません。過度に自分を責めずとも、その人があなたを責めることはきっとありません。この物語の人物たちは、そんな優しい人達ばかりです。
この世界は理不尽だけれど、人間はきっと理不尽じゃない。そう感じさせる作品です。