現代テイマーの生き方




 今回の優秀賞としておきましょうか。

 まず、冒頭。いわゆるプロローグに当たる部分になるのでしょうが、それがたったこれだけで始まる。

『庭を愛し、庭とともに生き、庭に人生を捧げた者――人はそれをテイマーと呼んだ』

 これだけで読者は非現実へと簡単にいざなわれてしまった。

 しかし、物語は平凡な男子学生の平凡な日常から始まる。

 帰宅部で特に光るものもなく、一人読書をする少年。そんな少年の家の庭にある日、不審な少女が紛れ込んだ。彼女はテイマーと名乗るが――

 庭というものは何故あるのかな、などと思って、そして、手入れが面倒で最近は庭のない家ばかりになってしまいました。しかし、この作品を読むと、つい、庭ってお小遣いで帰るのかなー、と思ってしまうティーンエイジャーが続出するでしょう。謎の少女と主人公、他のキャラとの掛け合いも逸品で、なおかつ、庭に詳しくなれ、そして、現実での庭の見方も大きく変わっていく。

 そして、最後には一同号泣の訳。

 なかなかに味わい深いものでした。

 いい作品ってのは、ホント、あまり感想ってのは出てこないから困る。とにかく、一度読んで欲しい。詳しくは書けないもの。読んで欲しいから!

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