「14頁目 パテギアを求めて……」

 ○月◉日 ソレッタの宿屋にて


 エンドールを発ったわたし達は再びミントスの街へ。キメラの翼って便利だね。一度行った大きな街ならひとっ飛びで行けちゃうんだもん。


 ミントスで装備を整え、アリーナ姫を追い東へ。


 道中、森の中に「ほこら」があった。が、扉は鉄格子で頑丈に封印されており、内部に見える「旅の扉」がどこにつながっているのかはわからなかった。気にはなるけど、今はアリーナ姫を追うのが先だ。


 この地方の魔物はもう恐るるに足りず、って感じで、ビシバシ倒しながらの移動。トルネコさんを一撃で仕留めたメタルスコーピオンなんかも「痛恨の一撃」さえ気をつければやられることはない。

 そんなこんなでミントスから丸一日かけて移動して、今日の目的地ソレッタ城についたのは夜遅くだった。お城っていうから大きな城下町でもあるのかと思ったんだけど、のどかな農村という感じの……言っちゃうと田舎っぽい所だったんだ。ま、山奥の村育ちのわたしはこういう所の方が落ち着くんだけどね。


 この国は万能の薬草であるパテギアを栽培していたおかげで、ひと昔前はそれなりに栄えていたらしい。けど、五年前にパテギアは途絶えてしまい、財政は悪化の一途を辿ってるんだって。

 元はパテギア畑だったところも、今はニンジンや大根を育てているんだけど、パテギアと違って特産品にはならないから、なかなか国は豊かにならない、と農夫のおじさんがため息を付いていた。


 夜なので王様にも話せず、とりあえず宿で一泊。48ゴールドである。ミントスの街の立派な宿屋より高いんだよ。びっくりしちゃった。ま、馬車で雑魚寝するのよりは全然マシだし、文句は言えないけど……。


 明日は王様に会って、パテギアが本当にどこにもないのか聞いてみるね。

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