非常にクオリティの高い作品と感じました。「夢」という一見ファジーなつかみどころのない、いわゆる忌み嫌われる「夢オチ」となってしまいがちなテーマをこの作品は見事に書ききっています。毎晩殺される夢を見る。それを救ったのは一人の少女だった。彼はなぜ毎晩この夢を見るのか?少女は一体何者なのか?そして最後に待つのは誰も予想していなかった真実。きっとあなたにもあったはず。さあ、この斧に見覚えはありませんか?
いつも同じ夢を見る。いつも殺されそうな夢だ。だけど、ある日彼女がやってきた。何度も救われても繰り返される悪夢。じゃあどこへ行けばいいのだろうか。立ち向かうしかない。あなたが夢を見るのなら、私はあなたを助けましょう。夢の中なら何度だって会える。
同じ夢を繰り返し見る、という経験はわりとあると思うのですが、その奥底にはそれなりの理由があるわけで。このお話は、『同じ夢を見て何度も殺されるぼく』の正体が明かされることによってその夢の意味を知ることになります。夢に見るくらいどうにかしたい過去、誰にでもあるんじゃないかと思います。それが悪夢であるうちは、まだ過去の自分を殺り切れていないのかもしれないなと、このお話を読んで思いました。