皆様の冒険にも幸多からん事を

ドルンとブルドルンとの激闘を制したアルバート達。さっそく地下室を調べていけば、もう一つ扉を見つける。ここまでさんざん罠の存在に苛まれて、激闘でウディグリスもアルバートも重傷の為、サティとエドモンドが確認する。

鍵はかかっておらず簡単に扉は開く、開いた先には書き物をする机と小さな本立てにかけられたいくつかの本、机の上には直方体のカートリッジと黄色いレンズがはめられたゴーグルが転がっていた


「これは全部持ってかえれば、凄いガメルになるんじゃないか」


「おお、まじか、よっしゃ、財宝ゲットォ!」


「こっちの魔法道具は……マナカートリッジとナイトゴーグルか、暗視が使えるようになるのとそれの補助動力か、いい代物持ってたんだな……」


「回収と調査が終わったなら今日はここで泊まって明日帰路につくか」


ウディグリスの提案により、本と魔法道具を持ち出し上へと持ち出しておく。あけ放たれた扉からはまだ夕日が射していたが時期にそれも落ちる事だろう。

今日の所はここで一度休息をとり、明日から帰路につくことにする。

夜の見張りはウディグリスとサティ、エドモンドとアルバートで別れる。


「いっきにガメルが稼げたな、エド、どれくらいになるかな?」


「そうだね、それなんだけど、ナイトゴーグルは売らないで持っておきたいかな、今回みたいに暗闇で戦う事は珍しい事じゃないからね、アルバートが装備しておけば、ランタンを壊さずにすむ」


夜の見張りの間エドモンドとアルバートが話を始める。先の戦いで無造作に放り投げられたランタンはその姿を見るも無残な状態にしてしまったのだった。

しかし、先ほど手に入れたナイトゴーグル、その効果は数秒の間、暗闇でも視界を良好に出来るという魔動機文明時代の傑作のひとつだ。これさえあれば、夜も怖くないだろう。


「お前が言うなら預かるぜ、マナカートリッジはどうする? ナイトゴーグルのマナ代わりに使えるだろ」


マナカートリッジの役目は魔法道具のマナの補填だ、これ自体にマナをいくらか補充でき、それを魔法道具に装着することで補充されたマナを使えるという寸法だ。

ただ、魔動機文明時代の代物などにしか使えないという制約があるが。


「ナイトゴーグル自体にもいくらかMPがあるから気にする事はない、一定量の稼ぎのためにもこっちは売ってしまうのがいいと思う」


「おうけい、それでいこう、まとまった資金ゲットに成功、次は蛮族退治とかいきてぇなぁ、やっぱガツンと強い蛮族をやっつけた手柄が欲しい」


「それは今後の依頼次第だね、ひとまずは明日からの帰路を安全に帰らないとだ」


「だな、皆も待ってるし、元気な姿を見せてやらなきゃ」


それからも見張りの時間が終わるまでアルバートとエドモンドの会話は尽きず。

サティとウディグリスが見張りの交代を促すまで喋り続けたのだった。

そして翌日、4人は地下に残ったドルン達の魔導部品を回収。

二日間の帰路を経て帰ってくるのであった。


「ただいまー! アルバート一行、無事、遺跡発掘に成功しました」


「無事でよかったよ、それでどうだった? お宝は出て来たかい」


「エドにぃ、アルにぃ、おかえりー」


「はい、こちらの魔導部品と本、それとマナカートリッジ、後は美術品ですね」


「ふむふむ……悪くないね、じゃ、これがガメルだ色をつけたりはしてないからねそれじゃ、ちょっと遺跡ギルドに出してくるから店を開ける、留守は任せた」


ハーヴェスに帰り着いた一行はアルバートの大声での帰還を知らせる声と共に翠の星へと入っていく、朗らかな笑顔を浮かべながらミリーがおかえりを返してくれるマリーも無事を安堵しながら財宝があったか確認する、結果は良好、マリーはそれらを心地よく買い取っていき、遺跡ギルドへと売りに行くために店を出ていく。

遺跡ギルドとは遺跡で出たものを買い取ってくれるギルドの事なのだが、これは表向きであり、裏では情報を扱う盗賊ギルドでもある、スラムや下町の治安維持の為にも必要悪とされ黙認されているのが現状だ。冒険者の中にはコネクションを結び情報を売り買いするものもいたりする。

まあ、一行はそういった組織には無縁であるが。


「ああー疲れた、俺はちょっと休憩してるわ、おやすみー」


「ふむ、私も疲れてるので休みたいのだが私の部屋はどうすればいいだろうか」


「とりあえず、僕のベッドを使っててください、僕はしばらくはマリーさんが返ってくるまで、留守を任されましたし、下にいますので」


「では、お言葉に甘えるとしよう」


アルバートとウディグリスは二人して探索の疲労を癒すべく部屋へと戻っていく。

そんな中、エドモンドはマリーの代わりに留守番を買って出る、カウンターの椅子に腰かけているとミリーが話しかけてくる。


「エドにぃ、エドにぃ、遺跡のお話して? どんなのがあったの?」


「ああ、そうだなぁ、前に話した魔動機が出たり、後はアルバートが馬鹿ばっかして擬態する魔物に襲われたりねぇ、いろいろあったよ、勉強になった」


エドモンドはミリーに遺跡の探索の話を淡々と話していく。ミリーはその冒険の話を目を輝かせながら夢中になって聞いていた。すると先ほどまで静かだったサティがエドモンドへ珈琲をミリーにはジュースを差し出す。


「少々台所をお借りしました、どうぞ、ご主人様、ミリー様」


「これはありがとう、留守を預かってるんだ、多少はいいんじゃないか」


「うん、おかーさんなら大丈夫だと思うよ」


しばらくサティとミリー、エドモンド達はのんびりとした時間を過ごす。

途中からはどこかに用事があってでかけていたボビンが戻って来る。

そしてマリーも戻って来る。遺跡ギルドからたっぷりガメルをふんだくってきたのか笑顔だ。休みを終えたアルバートとウディグリスも下りてきて翠の星は賑やかな喧騒に包まれる。遺跡探索、それは冒険者が夢みて多くの者が挫折してきた鬼門。アルバート達は見事にそれを成功に納め、今日この日を五体満足で生きている。

これからも困難が4人を待ち受けているだろう。しかし今日の成功を糧に更に成長しきっと跳ね返し、駆け続ける。その活躍を語るのはまたいつかの日に。

それではごきげんよう、出来れば皆さまの冒険にも幸多からんことを。









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水の都の駆け抜く勇者 HIRO @iaiaCthulhu1890

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