小説だけど小説じゃない小説
@A__NoHi__To
貴方に伝えたい私の言葉
前置きとして一つ、今から私が執筆するこの作品は小説であって小説ではない。端的に言うならばこれは日記と形容するのが適当だろう。
今この作品を読もうとしている貴方、貴方は今、今を生きておられますか?これは決して侮蔑の類ではない。この作品に目を通す人の性別、年齢、はたまた人種であったり。私には分かるはずもないが、私にとってこの作品を読んでいる『貴方』は『貴方』でしかない。
私は貴方に今を生きているのか、そう問うた。ならお前はどうなんだ?と思う人も少なからずいるはず。答えはNo。私は今を生きていない。今を生きることを放棄しているから。何故放棄したのか、放棄してしまうような、愚かで醜い選択をしてしまったのかを少し簡単に書くとしよう。
今私が書いているのは、同年代が大学受験を終え高校を卒業した頃だろう。私はまだ卒業出来る条件を満たせておらず、日々を堕落した生活で満たしきっている。
親しい友人は将来○○になると目を輝かせて専門の学校に向けて都会の方に移り住み、私に近況をメールで教えてくれている。それを愚かな私は憎たらしく、そして羨望の念を抱きながら応援するのだ。
受験に失敗した友人もいる。某SNSアプリで「失敗したー」と綴った友人はあまり悔しそうではなく、私立の大学に入るみたいで次の日はカラオケに行くようだ。それを横目に私は違う友人と偽りのコミュニケーションをとる。今とある界隈に属しているのだが、そこは絶妙な深さの沼でそこに浸かる人達の生気を奪っているように思える。事実、その界隈に影響された知人Aは「スターを目指す」などと口癖のように言い周り、風の噂では「学校の雰囲気が合わないから大学辞める」と言って本当に大学を辞めたらしい。なんて勿体ないことをとは思ったのだがそれもまた彼の人生、私には関係ない。
こうやって私は自分のことを棚に置き、他人を侮辱することで自分の中にあるエゴを満たして生きている。他者には何も与えない。だがその他者には与えてもらってばかり。これでは生きているとは言えない。たまに思うのだ、どうして私は生きているのか、ただ息を吸って、飯を食べて、寝て、ゲームをして、本を読んで、音楽を聴いて、誰でも出来るような簡単なことを毎日毎日同じように繰り返す。寝る時間は朝の4時。起きるのは昼過ぎ。家の手伝いもろくにしない。バイトもしない。何も得ようとしない。どうか私を嗤ってくれ。そうでもしてくれないと惨めで惨めで堪らないのだ。そして、そんな生活を繰り返した先に思い付くのが「死」だ。死にたいと、思うようになる。生きていても仕方がない。死んだ方が楽だ、死ねば何も考えなくていい、親が勝手に産んだだけ、生きるのも死ぬのも自分の勝手だ、と。
もう一度貴方に、いや、ここまで読んでくれた貴方に問おう。今を生きていますか?何か一つでも誰かに、誰かの為に何かをしてあげようと今を生きていますか?私は出来ていないんだ。だから、私はこの作品を書いているんだ。私にはこの作品を書くことで、貴方に私のことを伝えることで何かのきっかけになればいい、自分のことをもう一度見つめ直してもらいたい。そんなことお前がする権利なきだろって思うかもしれない。確かにその通りだ。ただ、こうやって作品を書いて、言葉を連ねて誰かに何かを与えたい。私はこれしか出来ない。思いつかない。誰かに与える方法はそりゃ幾らでもある。私はその中でこの方法を選んだ。今この作品を、今まさにこの文章を読んでいる貴方に何かを与えることが出来たら、そう考えると私は報われる。綺麗事、自己満足、自己顕示欲、それでもいい。誰か一人にでも伝わってさえくれれば私はこの作品を書いた意味がある。勿論私もこのまま終わらない。もしこの作品を読んでいる貴方が何かに悩んだり、苦しんだり、悲しんでいるなら、この瞬間から私と頑張ってはみないか?漠然とした将来への不安、今の現状への落胆。沢山の悩みの種がそこかしこに埋められている。やがてそれらは芽を出し私達を侵食していく。
もう、こんなのうんざりなんだ。私は変わりたい。自分の存在を確かにそこに示したいのだ。だから私はこの作品で貴方と共に存在を共有している。そして次に繋げたい。私はこれからも沢山作品を創るよ。だから貴方も何か一つ、自分が出来ることで誰かに何かを与えられるような人になって欲しい。偉そうなことを言って申し訳ない。ただ私達はこの世に生を受けたからには他者に何かを与えないといけない。私はそう考えている。ここで表す何かは幸せやら、愛やら、なんでもいい。誰かがそれを受け取って喜んでくれるのならなんでもいいのだ。
長々とここまで読んでくれてどうもありがとう。たまにこうやって稚拙な文で私の近況を教えるよ。SNSなんかでリアルタイムにコミュニケーションはとれないけど、こうやって私と貴方は言葉で繋がっている。気持ち悪いなんて言わないでくれよ……?
じゃあそろそろこの作品はお終いにするよ。では、また。
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