丁寧な作り

ストーリーはセーバルが脱走するというものですが、その中にセーバルの能力や取り巻く環境といった筆者の考察が含まれており、物語性のある論文のような印象を受けました。セーバルにしてはやや地の文が硬いような気もしますが、硬すぎることは無くコミカルな描写もあって読みやすい文章に仕上がっています。また、ストーリーの流れはシンプルでわかりやすく、かつしっかりと伏線が張られており丁寧です。
セーバルとカコさんはどちらも謎多き存在ですが、上手くまとまった良作といえるでしょう。