平和のために

平穏のため

「脅威であった魔族が、先の戦いで人族により衰退したと聞く」


「であれば、我らドワーフは……」


「武器必要なくて困っちゃうね! どうしようっか!」


 ドワーフ国のカッコ仮の長は笑顔で数千年熟した酒を口にする。

 

「これで、俺たちは俺たちが好きな事が出来るんだな。どうしようか、何しちゃおうか! 俺ちっせえからなあ、空飛んで世界を見渡してえなあ」


 ドワーフの長カッコ仮は酒を飲みつつ図面を描き始めた。




「であれば、決戦だ」


 エルフの長の、その物言いに誰もがざわつく。

 何百、何千と続いているにも関わらず、関せずを続けたエルフの長が。

 今、この時こそ、と高らかに叫んだのだ


「魔族を絶やしにせよ。さすれば我らエルフが世の頂点になるのだと」





「色んな所行ってきましたけど、なんむしろやばい感じじゃないっすか?」


「うん、やばいね。わかってたけど、厳しいね。ねえ、サツキ、平和って何だと思う?」


「……みんなでお手て繋いでおむすび食うんじゃないのだけは、わかります。景色が地獄絵図だったら、吐きます」


「でもその地獄が好きだと思ってる考えもある。例えばなんだと思う?」


「……、違うかもしれねえ。けど、その、例えば……」




 今こそ、

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