コイバナ(女性編)

「二人に集まってもらったのは、とても大事な話があるからよ」


 ナタリアはロロイナとセレンを自宅に呼び込んでいた。

 リビングにはお酒が何種類かと、ピザやサラダ等の食べ物が並んでいた。


「女子会をしたいと思います!!」


「「いえーい」」


 アルと結婚しとても明るくなったロロイナと、元々ノリの良いセレンが手を挙げて賛同した。

 なおエミルは忙しいからと断りを入れていた。


「で、ところで女子会って何をするんですか?」


「私はずっとアルと一緒に旅してきたからこういうのはじめて」


「……私にもわからないわ! ともかく女だけで酒盛りしてればいいんじゃないかしら?」


「言い方が女子から遠いの、どうなの?」


「まあ細かい事気にしないで。そういえば女性陣だけで集まってパーティすることなかったなって、そういうただの思いつきだから」


 そういうとナタリアは自分と二人のグラスにワインを注いだ。


「「「かんぱーい」」」




「ロロイナは、アルと、その、そういう事したのよね? 結婚したんだものね!?」


「そ、そういうの聞くの!? その、察してください」


「最初は痛いって聞くけどほんと? あとあの奥手そうなアルがちゃんとリードしてくれたの、それともロロイナが――」


「はい発情エルフは自重しましょうねえ」


 ナタリアがロロイナを問い詰め気味に質問をしていたが、セレンに遮られた。


「女子会だしコイバナしようかなって」


「コイバナ? ただの下ネタじゃねーですか」


「じゃあどういうのがコイバナなのよ」


「普通に、誰が好きだとか、どういうところが好き、とか、そんな感じだと思いますよ。少なくても夫婦の営みをガチで話させるのは違うと思うですよ」


「じゃ、じゃあナタリアはナユタのどこが好きなの? ……こういうのがコイバナ?」


「多分そんな感じだと思いますよー。で、そこの所どうなんです? あの野蛮な奴の何処に惹かれたんです?」


「いやナユタはかなり優しいのよ? 口がすっごく悪くて、態度も結構悪いだけで根はとても優しいのよ」


「ほう、ナタリアさんはそんなギャップ萌えにハートを射抜かれたと」


「ちがっ、それだけじゃないしっ! その、ちゃんと私を大事にしてくれてるところとか……ってめっちゃ恥ずかしいわ!」


「自分や人の恋をする。それとっても恥ずかしい」


「くっ、女子会舐めてたわ」


「とまあそういうジャブから話題を振ってからの、下ネタですよ。ナユタとはどこまで?」


「どこまでって、どういう意味……?」


「ちっ、ナタリアさんこういう所、初心でめんどくせーです。要はヤったかどうかの話です」


「……まだよ。誘っても誘っても、全然抱いてくれないの」


「あ、そ、そうですか」


 セレンが思いもしていなかった返答に少し引き気味になる。


「大事にされてるんだね。大丈夫、結婚したら優しく抱いてもらえるよ」


 年下だけど、ナタリアより人生経験豊富の人妻ロロイナが優しくフォローをする。


「私とナユタの結婚っていつになるのよ……。年単位じゃなくて百年単位の話よ」


「そう聞くと、ナユタが一気に甲斐性なしのヘタレ野郎に思えますね」


「愚痴ならいつでも聞くし、また女子会もしよ?」


「うん、ありがとう……」


「はいでは次の女子会は『どうやったらナユタのヘタレを治せるか』というテーマでお送りします」

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