祈り

僕が君と離れて何をしていたと思う……?


君が泣いていないか、誰かに傷つけられていないか、君が心穏やかに生きていてくれているか、なんて。


そんなことばかり考えていたよ。


振り向いてくれない君を想いつづけるのが辛くて、苦しくて、悔しくて。

他に心を移し望んで君と離れたはずなのに、どうしてだろうね……?


思い浮かべるのは、いつも君との楽しかった時間だけだった。


君と再会して、僕の心配など吹き飛ばしてくれたのはまぎれもなく君だった。


君は幸福しあわせだったんだね。


そこに僕がいなかったのは残念だけど、そんなことはどうでもいいと今は思える。


君が悲しい思いをしなかった。

君が笑っていてくれていた。


それだけで充分だ。


ねえ、また僕と出逢ってくれるかい……?


何度でも何度でも。

僕と出逢ってくれるかい……?


あの頃僕は君に恋していた。

君に惹かれていた。

君が好きだった。


そして、君を愛していた。

今も変わらず愛しているよ。


勝手だと、君は笑うだろうか……?


さて、そろそろ時間のようだ。

一足先に逝って君を迎える準備をしようかな……。


君を迎えるなら……、そうだ。

ゴデチアを庭一面に咲かせていないとね。

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