しあわせ

あなたは私をまた置いていってしまった。

また私を一人にするなんて、ひどい人ね。


今度は私も一緒に連れて逝ってくれたらよかったのに……。


最後に見たあなたの顔は幸せそうな微笑みを浮かべていた。


それは初めて知ったあなたの表情かお

知らなかったわ、あなた、そんな表情かおもするのね。


私の知っているあなたは、いつだって少し困ったような笑みを浮かべていたっけ。


それ以外は何一つ変わってはいないあなた。


ねえ、私ももうすぐ逝くわ。


随分待たせてしまったけれど、でも待っていてくれているんでしょう……?


もう少し、あと少しだけ待っていて。


今度こそ素直になれるはずだから。


あなたが私に一番似合うと言ってくれたアザレアの花を髪にさして逢いに行こう。


でも、もし、いつもの癖で憎まれ口を叩いてしまっても、今度はほかの人に心を移さないでね。

約束よ?


さぁそろそろ眠りにつこう。


今夜はなんだかあなたに逢えそうな気がするの。


そっと目を閉じて呟いてみる。


私たち一緒にいられた時間は短かったけれど。


ワタシハ アナタニ アイサレテ シアワセデシタ

コレカラモ ズット

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