ながされる
貴方の誘いを
私はいつも断れずに受けてしまう。
理由は分かっている。
サビシイカラ……。
彼を失った悲しみに私の心がついていっていないのだもの。
だから、彼が抜けた穴を埋める何かが欲しい。
そんなもの見つかるはずはないのに。
彼の抜けた穴は、彼でしか埋められない。
解っていた。
そんなこと、解っているのに。
たかが失恋と人は言う。
けれど私には世界が終わったんじゃないかというほどの衝撃だった。
貴方と逢っていても
私の心を頭を占めるのは、彼のことばかり。
ーあぁ ここは彼と来た場所
ーあぁ ここで彼と話をしたな
この街には、そこらじゅうに彼の香りがあふれていて
私は知らず涙をこぼしてしまう。
今はそれでもいいと貴方は言ってくれる。
今はまだ彼の思い出に浸っていたいなんて
私のわがままを受け入れてくれる。
眼前に広がる一面のリコリス達が
それでも大丈夫だよなんて言ってくれてると思うのは
私の願望なのかもしれない……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます