第46話:アース国での通達
アース国の民へと通達が有ったのは、アリスが国外追放され2か月半が経過した頃となった。
勿論、王で有るギルヴィアが暴走した事は伏せられるのだが、噂として国中に知れ渡って居る。
「なぁ聞いたか?王様が暴走なさった事で王妃様が離縁を突き付けられたそうだ」
「あぁ聞いた聞いた。何でも?ヴァカス様が男爵令嬢だったか、その女性と結婚するんだと宣言して、婚約者だったアリスフィーヌ様を無い罪で断罪なさったとか」
「何とも馬鹿な王子様だったのだねぇ。あのアリスフィーヌ様が罪人になる訳が無いもの」
正しい情報で噂されて居る事も有れば
「ヴァカス様が男爵令嬢に惚れ込んで婚約者を捨てたとか?馬鹿だよなぁ」
「爵位が一番低い令嬢との結婚なんて出来な・・・ああ、あの
馬鹿だから理解できて居なかったのだと噂される事も有った。
正しい情報を発信する為・・・と言う理由では無いだろうが、ギルヴィアは通達役員に書状をしたためて居た。
「はぁ・・・(これでヴァカスの『やらかし』は修復できるだろうが、私の暴走までは手が回せぬな)」
王様が暴走して王妃様から離婚を突き付けられた事で正気を戻した・・・と言う噂は消せないくらいに拡大して居る。
それを「暴走しなかった」とは通達出来る訳が無い。
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通達
第二王子ヴァカスが宣言してしまった
アリスフィーヌ・セレンティア嬢への断罪は
マデリーン嬢の魅了魔法が影響した故の冤罪で有り
国外追放処分は不当な物で有ったと宣言する
ヴァカスが行った行為は罪深く北方領地での
作業を化す為、王位継承権を剥奪し男爵として派遣
禁忌の魅了魔法を使ったマデリーン嬢は
危険魔法を所有して居る為
絞首刑となり実行された
全ての責任を取りギルヴィア・アースは退位し
レンシルを次期王として確立する事と相成った
ギルヴィア
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思い切った宣言書となったが、猛省した結果だと言える。
だがアリスがアースで暮らす事は無くなってしまった。
稀代の魔術師を失った喪失感は何時までも残り続ける。
それだけの事を自分と息子が「やらかして」しまったのだから何を言われても反論できないだろう。
「思い切った事を決断しましたわね」
離縁と言う最大の武器を持って居る王妃が、呆れた声で王に問いかける。
「それくらいせねば許されぬ事を儂も息子もしてしまった、と言う事くらいは理解しておるわ」
魅了魔法が掛けられてしまった馬鹿な息子、暴走してしまった馬鹿な自分・・・思い返しても何故、暴走してしまったのか理解できないが、暴走した事実は残って居る。
「・・・レンシルに全てを任せるには早すぎます。退位は来年とし、それまでは王様が政治を動かして下さいませ。レンシルはサポートに回り学ぶべきですわ」
こうして退位の準備と言う形で動く事となり、レンシルは将来「畏き王の再来」と呼ばれるまでに成長する事となる
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