第37話:暴走の果て2

 遺体が見つかったか?と問われたアイザックたちは、絶対零度の態度のまま


「何も知らないからと言って何故、アリスフィーヌ嬢がと確定できるのか教えて欲しい」


 と問いかけ、彼の態度に流石のヴァカスも戸惑いを感じ始めた。


「い、いやっ・・・そのっ・・・後ろ手にかせをされ、魔の森に放置されては、流石のアリスフィーヌでも助からぬと思うのだが・・・」


「彼女を助けた者が居る可能性すら考えぬのか?」


 そう問いただしたのはウィル。


 アリスを何が何でも断罪したい、と思って居るで有ろうヴァカスを冷めた目で睨んで居る。


「助かって居るのなら今度こそ、魔物の餌として献上すべく、更なる奥地へ放置しようでは無いか!愛しのマデリーンが断罪に追い込まれたのはアリ・・・「彼女の所為せいでは無くマデリーンの自業自得だ」は?」


 何故マデリーンが罪を犯したのだ?とでも言いたげな表情は、阿呆バカ面。


 女性陣は笑いをこらえるのに必死だ。


「はぁ・・・どれだけ王族として学んで来たのか判らぬ程、まぬけだな」


 アイザックは呆れ、溜息を吐き出しながら、同じ王族として恥ずかしいと宣言する。


「(くっ・・・笑いたいけど我慢よ我慢っ)・・・確かにヴァカス様は王族としての勉学をして居なさそうでは有りますわね」


「何だと?!」


「あら、指摘されて困るような事を言いまして?どう考えてもマデリーンと呼ばれる女性が原因を作ったと、理解できてないから勉学がなってないと言われますのよ?」


「マデリーンが原因・・・だと?その根拠はっ!」


「パーティー会場で断罪を決行した後に、陛下から問われた事すら忘れて居ないと言えるかな?」


 確かに父親か問いただされ答えを口にして居るのだが、それが綺麗さっぱり抜けており、マデリーンと結婚できなくなった、と言う思いだけで動いて居るのだ。


「父上から・・・何を・・・言われ・・・た・・・?」


「アリスフィーヌ嬢がマデリーン嬢を苛めて居る現場をのか?」


 アース王が問いかけた言葉を繰り返し口に出すアイザック。


「見て無い…確かに答えたな。何故、抜けた?」


「アリスフィーヌ様が階段から落とした所を見た者はのかしら?」


 同じようにマギーが、ヴァカスが忘れてしまって居る事柄を間違えずに言葉に出す。


「い、いな・・・い・・・アリスフィーヌに謝罪しなければ・・・そして婚約破棄の撤回をし再び結んで貰「無理だぞ」え?」


 再び婚約を望もうとするヴァカスに最初の残念劇をアイザックが発動する。


「アリスフィーヌ様は既に婚約者がいらっしゃいますわ」


 それに追随するかの如く、アメリアも続いた。がヴァカスは更なる暴走をし始める。


「何だとぉ?!そいつを殺して私のモノにして・・・「できるなら今からでも決闘に応じるが、お前が負けるのは確実だぞ」はぁ!?」


 アイザックとウィルが剣に手を掛け、マギーとアメリアは魔法を放つべく杖を構える。


「卑怯だぞ!!4対1じゃ勝ち目ないだろ!?」


「例え1対1でも勝てると思って居るのか?鍛錬など怠って居た筈のお前が勝てると・・・」


 心底馬鹿にしたウィルにヴァカスは無謀にも挑み、完膚なきまでに叩きのめされ、便せんを持って戻った衛兵から王妃へと事の次第が伝えられる事となる

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