第30話:真実を知る2
「ま、まあ!レンシル様がアタシを助けて下さったのですね?!嬉し・・・「勘違いするな」え・・・?」
「私がお前を解き放つ?有り得ぬわ。ここへ連れて来た理由は、先ほどの光を放ったのは、そなたなのかを尋ねる為で有り何故、放ったのかを聞く為だ」
「どう言う事?!これって好感度マックスになった時に来る新たなイベントじゃないの!?」
「・・・何を言って居るのだ?『こうかんどマックス』?『あらたなイベント』?そなたは何者なのだ」
ここで気づけば回避する事も可能だったかも知れないが、マデリーンは王太子妃に・・・やがては王妃になれる「ゲーム世界に入り込めて居る」のだと「思い込んで居る」からこそ普通に答えてしまう。
「何者ってアタシは、このゲームのヒロインでヴァカス様と結婚しても騎士団長の次男や宰相の次男、魔法師長の次男とも関係を持てる逆ハールートに入って居る筈なんだけど・・・」
最後の呟きは取れては居ないのだが、大体の雰囲気で何を言ったかは理解できた。
出来たのだが、彼女の言う事、全てに首をひねった。
「ゲーム?ヒロイン?ぎゃくハールート??何の事を言ってるか判らぬな」
そこでようやくマデリーンが「あれ?」と気づいた。
「あ、あのっ…レンシル様、1つ聞いてもイイですか?」
「まぁ何て言葉遣いなの?それでも侯爵令嬢かしら」
マナーは失礼極まりないし言葉は平民には近いだろうが、目上の者に対しての言葉遣いがなってない。
態度すら「そこらへんの平民の方がなって居る」のだからでは有った。
「母上、話をそらさないで下さい。あの光の原因は確実に彼女が関わって居る筈なのですから」
「え」「え?アタシ?!」
「君は魔法の塔で何をしたんだい?」
「あのっ…魔法では無く聖なる魔法と呼ばれる事をしました」
風の精霊から言われた事を難なく答えたマデリーン。
その事が自らの命を縮めて居ようなど、思っても無いのだろう。
キョトン・・・とレンシルを見て何とか打開策を講じたいと、魅了の魔法を発動させるのだが、枷が邪魔をし防御の魔法で弾かれ魅了の魔法が霧散した。
パンッ!
「きゃっ!」「きゃぁ!!」
「大丈夫ですか母上!」
「え、えぇ。大丈夫よ。防御の魔法が守ってくれま・・・し・・・その令嬢を捕らえなさい」
「「はっ!」」
マデリーンは自らに魔法を掛けて居たらしく、そこには黒髪黒目でとても「モテる」とは言い難い顔つきの女性に変化して居た。
「なんで?!なんで、なんでなんでなんでよぉ!!シナリオ通りに運んだ筈でしょ!?何でアタシが捕まらなくてはならないのよっ!!」
「・・・
「あんの悪役令嬢がぁ!!又アタシの邪魔をする気なのね?!許さ・・・「ここは君の言うゲーム世界では無い」え?!」
衝撃の言葉がレンシルから放たれ、マデリーンがゲームだと思って居る世界が現実だったと知る事となる
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