第29話:真実を知る1
王城でアリスからの報告を待って居たレンシルに風の精霊王が
【レンシルよ。我が姫より伝言を授かって来た】
と姿を現し伝えて行く。
「か、風の精霊王様」
さっ・・・と膝を付き頭を下げる王子。
【伝言を伝えるだけだ、そう畏まるでない。魔法の塔に幽閉しておるマデリーンを問い詰めよ。答え次第では国に害を
頭を上げたものの、膝は付いたままで不思議そうな顔で
「マデリーン嬢を問い詰める・・・?」
と確認した。
【聖なる魔法を使った、と申し出た場合は1週間以内に断罪すべきだとの見解だ】
「・・・聖なる魔法(聞いた事が無い魔法故・・・か)」
【左様。我が姫は国から追放されはしたが、国が亡びる事を望んで居る訳では無い故な。危険回避する為の助力は惜しまぬ】
「有難きお言葉、肝に銘じます」
ではな・・・と姿を消した王、レンシルは外に控えて居るで有ろう近衛に
「魔法の塔で幽閉して居るマデリーン嬢を問い詰める。魔法封じの
と指示を出すと聞き届けた近衛が騎士団に伝え、塔を管理する衛兵へと伝えられて行く。
「この事は母上のみに伝えるしかないだろうな」
暴走してしまった父親に伝える事は
不測の事態が起きる可能性を秘めた魔法。
その存在を「知ってしまったが為に又暴走する可能性」が有るからだ。
「母上に面会の許・・・「その必要は有りませんわ」母上・・・」
風の精霊が訪問した気配を感じない訳が無いな、とレンシルは溜息を吐き出した。
「先ほどの光。原因が判明しましたのね?」
「いえ・・・判明したと確定は出来ません」
「どういう事ですの?」
「アリスフィーヌ様でも理解し難い現象だったようでして、魔法の塔に幽閉したマデリーン嬢を問い詰めて欲しいと伝言を頂いたのです」
「まぁ・・・大丈夫ですの?
「魅了の魔法は防御の魔法を突破できません。それだけでなく魔法封じの
「それでも心配だわ」
ヴァカスが難なく魅了の魔法に掛かってしまって居るからでは有るが、そう簡単に王太子たる自分が掛かってはならないと、魅了魔法に関して文献を読み対策を練っては居たのだ。
「魅了の魔法に関しての文献を読み、掛からない方法を熟知しておりますので安心して下さい母上」
そうこうして居る内にマデリーンが「離して」だの「触るな」だのと喚き散らしながら、連れて来られて居る雰囲気を感じ取ったレンシルとメイフィスは「とんだ偽物令嬢だったのだな」と溜息をついたのだった
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