第12話:計画的な仕返し2
「考えられる事で宜しいかしら?」
マギーがマデリーンの態度で予測して見た。
「構いませんわ」
アリスは不安な表情でマギーに返事をする。
「マデリーン嬢は王太子妃になりたくて魔法を使った。いずれは王妃になれる、と信じて行動した・・・有り得ないでしょうか」
それなら有り得そうだ・・・と言うのが全員の意見。
だが、それでは様々な次男に粉を掛けた意味が出て来ない。
「それだけでは宰相や騎士団団長、魔法師長の次男に想いを伝えた意味が出て来なくないか?」
「それはアリスフィーヌ様に罪を押し付けるのに必要だったから・・・では無いですわよね」
アメリアが断罪を仕掛ける為に宰相の次男、騎士団団長の次男、魔法師長の次男を仲間に入れた、と推察したのだが、決定打にはなり得ない。
「どう考えてみてもマデリーン嬢の目的が判らぬな」
アイザックは首を
ここに居る誰もが乙女ゲームのシナリオ通りにマデリーンが進めて居た等、予想できようか。
「では、仕返しの方法を考えない?」
ジャンが嫌な空気の流れを変えてくれた。
「そうだな。アリスフィーヌ嬢を国外追放するんじゃなかった・・・と思わせなければ意味が無い」
そう切り出したのはアイザック。
「一番良いのはアイザック様かウィル様の婚約者となった、と知らしめる事かしら」
マギーが「どうして魔族(獣人族)の王子と婚約を?!」と、とんでもない発言をしたのだが
「私は無理だね。婚約者が決まって居る」
アイザックが肩を竦めて自分は除外してくれと言う。
そうなると残るのはウィル。
「それが一番良い方法だと思うよ兄上」
ジャンも兄の背中を押す。
「お前なぁ・・・。アリスフィーヌ嬢の気持ちを考えてくれ」
「そうは言うけど兄上、ヴァカス様と婚姻が決まって居るって知って残念がってなかったっけ?」
暴露されてしまったウィルは、顔を真っ赤に染めて居た。
「ウィル・・・様?」
どうして彼が自分の婚約を残念がって居たのか不思議なアリス。
バツが悪そうに
「・・・覚えて居ないだろうが、アリスフィーヌ嬢は幼い頃、獣になり、怪我をした俺を助けてくれたんだ」
彼女を知ったキッカケを白状したのだ。
「・・・あ・・・」
アリスが幼き頃、魔の森の先で怪我を負った狼のような子犬を魔術の回復魔法で救った、と言う事を思い出したのだろう。
「その時に将来、結婚したいと願ってしまい、君は『ごめんなしゃい(ごめんなさい)。わたくしはおうじ(王子)さまと、こんやく(婚約)してりゅの(してるの)。でも、うれしいわ』と毛並みを整えてくれたんだ」
「あの子狼がウィル様でしたの・・・?」
「情けないけど・・・そうなんだ」
ようやくアリスに自分の過去を白状できたウィル。
婚約を交わすならば当人と王様たちが関われば良い、と思ったマギーたちは自分たちの城へと戻って行ったのだ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます