彼女の思いや、その日の感触がとても細かくて想像しやすいです。ああ、夏だなあ、と情緒を感じさせてくれます。彼女視点の物語ですが、その時と今の彼の視点を想像すると2倍おいしいです。最高の目覚めになったのは彼女か、それとも……?
ケイドロとは懐かしい! 逃げ水のような夢の記憶がセピア色にイメージされる。小道具の時計を使った演出が秀逸。
卒業まではプラトニックと決めた二人の爽やかな恋愛です。こういう穏やかな最高の目覚めもあるんですね。暖かく見守りたくなります。
幼少の砌、仲間と遊んだあの時の記憶。あの時間がどれほど輝いていたか、掛け替えのない時間だったか、あの時はまだ知らずに過ごしていた。大きくなってからこそわかる、大切な時間というものを再認識できる、本作はそんなノスタルジックなお話です。「あの頃」と「今」がひとつづきになっているなんて、もうそれは。きっと運命ですよね。是非ご一読を!