この先の物語をだれか。

りょう。

第1話


 目を開けると椅子に両手を縛り付けられていた。上半身の服は剥がされ、下は朝から着ていたスラックスを履いている。


 ここは、どこだ?



 周りを見渡すとコンクリートでできた灰色の壁。左側に木でできた棚。目の前の壁は柵でできており、その奥にはどこかへ通づる廊下が見えている。

 後ろは見えないが右上に窓がありそうだった。部屋に明かりは付いておらず、その窓からの淡い光だけが唯一の照明と言ってもいい。



 椅子から立ち上がろうとするも、椅子自体が部屋に張り付いているのか立つことは出来ない。



 声をあげようか、それともしばらく待つべきか。

 考える暇もなく1人の女が入ってきた。



「あら、起きたの。」

「………………」

「ふふっ、いい顔をしているわね、とっても素敵だわ」

「ここはどこだ」

「必要のない質問よ」

「は?」


 黒いストレートの腰まで伸びる髪、つり目型の瞳、スッとのびた鼻、真っ赤に濡れた唇。

 大きな胸を強調するように開いたドレスを着て、身体のラインを出すその服は彼女のスタイルがとても素晴らしい事を主張しているかのようだった。

 普段こんな女が歩いていたら周りの男たちが放っておかないだろうが、今は縛られている自分のみ。



「ここはどこでしょうね」


 ゆっくりと髪をかきあげて片方の耳にかけると、赤黒いピアスが僅かに見えた。

 彼女の手を追うと、胸の先が少し出ていることに気がつく。

 ついその下を想像してしまったことが恥ずかしく視線を横にずらした。


「あら、何を見たのかしら」


 カツンというヒールの音が響いて彼女が近づいてくることが分かる。


「近寄るな」

「ふっ、この状況で強気なのね」


 彼女は自分を見下ろしてニヤリと笑ったようだった。

 細い指が自分の頬にそろりと触れる。

 ゆっくりと顔を正面に向かされ、彼女の顔が近づき、唇が触れるか触れないかの距離で止まった。

 じっと自分の目を見つめるその瞳に、僅かにかかる彼女の息に、自分の神経がだんだん敏感になっていくのが分かった。

 彼女の指が這うように、首へ、鎖骨へ、胸へ、そしてさらに……


「ねぇ、どうしてほしい?」

「……っはぁ!」


 甘く溶かされるようなその言葉に自分の息が止まっていた事に気がついた。

 ただ、上半身を少し触られただけであるのに、自分の身体があの特有の熱を持ってしまっている。


「ふざけるな」

「あら、貴方のここはそうでもないみたいだけど」


 彼女は空いているもう片方の手を自分の肩に置いて耳元に囁いてくる。


「ねぇ、しちゃおうよ」

「…………っ」


それから彼女は手を…………





そこで文章は途切れているようだ。

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この先の物語をだれか。 りょう。 @ryo_tamaki_syo

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