1時
高校から進学も就職もしなかった僕は日々アルバイトをして生計を立てている。卒業を機に親元を離れて暮らし早い事にもう4ヶ月が経とうとしていた。
朝7時には目を覚まして出勤の準備をする。
cheriririruru!!cheriririruru!と五月蝿いアラームを1コール目で止め、洗面所へ向かう。
「朝は1番歯が汚い!だからご飯食べるより先に歯を磨くほうがいいよ!」という歯科助手の友達から念を押されてから先に歯を磨くという習慣が根付いている。
僕は基本的には朝シャン派だ、トレーニングとかの後に入ったりもするけど、やっぱり朝に入る方が個人的に一日のスイッチを入れるルーティンみたいな感じがして好きだ。あくまで個人的に。
シャワーを上がったら体を拭きバスタオルを腰に巻いたまま朝食の仕度に入る。
夜はバイト先の賄いを食べる分食費が浮いて朝は割としっかり作る。
今日はトーストをメインにハムエッグとレタスベースのシーザーサラダ。素晴らしい程スタンダードな朝食を作りのついでにお昼分のおかずも作ってしまう。
朝食を済ませ着替えを済ませる。出る仕度は万全だ…
「やっぱトーストもう1枚たべちゃおっ」
時間には余裕がある。わざわざ街に近い家を借りたのも朝のためだ。
そうしていると時計は8時を回り出る時間だ、マンションの隣人方と挨拶を交わしてゴミを捨て場をあとにする。
僕はアルバイトを掛け持ちしていて、朝から夕方にかけてはパソコンによるデータの打ち込みのバイトで、夜は居酒屋で働いている。
毎日基本同じことの繰り返しだが僕はそれが意外と嫌いではない。シフトで変わるメンバーと話をしたりご飯を食べたり。昨日のテレビ番組の話なんかをしたり。
(僕はテレビがないので毎回置いてけぼりにさて笑われる)
なぜ就職しないのかと言うと、まずひとつは生活を安定させること、もう1つは運転免許を取ること、就職したらシフト制じゃなくなるからバイトを掛け持ちして上手く組み合わせて生計を立てている。
そんなこんなで一日まるまる使い切り家に帰る頃には夜中の1時だ、僕は日課の読書を済ませてアラームをセットする。
当たり障りもなく誰かに文句を言われる訳でもない。
自由気ままに、不自由な社会を楽しんでいる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます