第17話 『自決公社』 その4
ただ、閉じ籠っていると、時間は早く動くらしい。
これで、尋問や拷問があれば、話しは違ってくるだろうけれど。
ぼくとしては、相部屋にされるのではないかと、予想していた。
スパイかどうかは別として、ストレスは貯まるが、役に立つ場合は多い。
とくに、孤独な老人の場合は。
しかし、それは、個人の選択に任されているのだそうである。
個室の場合は、おこずかいが、つまり、年金が、少ない。
人によっては、支給額が足りないから、しかたなく、相部屋になることも、あるらしい。
このあたりは、まあ、仕方がないだろう。
この国は、そうした点は、ある意味平等であるとも言える。
そうじゃないという意見も、もちろん、ある。
判っていないことも、ある。
例えば、国会議員さんなどは、ここには、来ないのが、当たり前である。
一部に、『議員くずれ』と呼ばれる人はいるのだが、ぼくの取材できた範囲からいえば、どうやら、そうした人たちが集まっている施設が別にあるようだ。
もっとも、ここがどこなのかが、まず、把握できていないのだ。
移動した時間や、手段、がたぼこした経過からみれば、恐らくは、旧徳島県の山間部だと思われる。
しかし、はっきりした確信は持てない。
愛媛側まで、入り込んだ可能性もあるが、道路事情から考えると、地上バスでなら、あまり、遠くには行けてないだろう。
🚀
ときに、ぼくの、押さえている、ミサイルとは、なんだい?
まあ、気になりますよね。
じつは、どこにあるのか、わからないのだ。
ある、という、保証は、じつは、ある。
それが、長年、マスコミで活躍できた、カギ、でもある。
スイッチは、ぼくの体の中にある。
それは、はっきりしている。
しかし、摘出は、まず、無理だ。
摘出しようとしたら、スイッチが入り、核弾頭がどこからか、やってくる。
そんな、冒険する意味は、誰にもない。
ただ、自然死ならば、スイッチは、僕とともに、去ってゆくらしい。
そこらあたりの見極めは、体内の目には見えないくらいちいさな、チップが行うのだそうである。
なんで、そうなのかは、おいおい、お話ししたい。
昔なら、方策が見つかったろうけれど、現在は、科学技術が衰退している。
しかし、その、人類技術の集大成を、維持している、謎の団体がある。
この、地球のどこかにだ。
大きな、話しではあるが、そうらしい。
そいつは、常に、海底を移動しているんだとか。
要するに、潜水艦であろう。
ただし、極めて巨大だ、とか、いやいや、複数いるんだ、とか、噂は各種ある。
だから、ぼくの核弾頭は、たぶん、そこから、くるのかもしれないし、そうではないかもしれない。
四国のどこかに隠されているとされる、例の核弾頭と、同じ範疇のものなのかどうか、実をいうと、ぼく自身、わかっていない。
ひどい、はなしである。
しかし、そうした事実があるという、一種の証拠はあった。
政府は、その、データの一部を持っている。
ぼくは、ぐうぜん、そいつを、発見した。
さらに、そのことを、四国の反体制が、握っているという、状況証拠がある。
でも、だれも、その、すべてのデータには、行き着いていないらしい。
彼らの本国は、壊滅状態になり、データがどうだとは、言ってはいられないくらいになっていると、されているが、これにも、噂が付きまとっている。
いまや、地球上、安全な場所などはない。
だから、まだ、ここは、ましなほうである。
そこで、この迷路の、出口のカギを知ってる可能性があるのは、例の、おとぼけ、大先生なのである。
・・・・・・・・・・・・・・ 🔥😭💣
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