第16話 『自決公社』 その3

 『さあて、どう、動くかな?』


 ぼくには、大変に、興味深いところなのだ。


 『まあ、さいくはりゅうりゅう、かほうはねてまて、たなからぶんちん。』


 ぼくは、つぶやいた。



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 隊長は言った。


 『ありえないよ。我々も、探し回ったんだ。しかも、公的な立場でだ。ま、レジスタントとしてもだが。』


 『相手は、この間まで、マスコミの寵児だった人です。反体制的な言動も多かったが、なぜか、おおめにみられて、検挙されたこともない。首相と、なんらかのつながりがあるんじゃないか?とも、言われましたが、むかしならともかく、いまは、調査もできない。公儀隠密ではないか、とも。今回も、われわれの調査が目的だという情報もあります。核のことを知ってるなら、なおさら、おかしい。カメリカのスパイという、はなしまであります。ほとんど、壊滅状態なのにね。』


『そこにきて、さっそく、自分は、核ミサイルを二発押さえているとな?』


『ええ、すぐ、ここを、狙えると。』


『面白い。実に、面白いよ。カメリカは、地下を拠点に、再興を図っていることは、事実らしいしね。すべて、排除できない。リーダーが、任せてくれるなら、会って見よう。いいですか。』


『まあ、隊長が、そう言うならば、あたしは、同意してもいい。ただし、同行します。おかしくなったら、すぐ、権限を奪います。それで、みんな、いい?』


 ほかの5人は、同意した。


『新しい施設長が、まもなく、到着します。バリバリの政府のエリートよ。くれぐれも、注意しましょう。あなたは、現場秘書なんだから、よろしくね。』


『はい、今回赴任する、第1秘書は、ただ者ではないですよ。むかし、いっしょに、内閣にいたことがある。不気味な人です。一流のスパイで、ないしょの殺しも得意とか。今回も、暗殺目的だとも。だれかは、わからないけど。大山先生狙いとの情報もあります。』


『まあ、噂かもしれない。でも、注意して。あなたからしたら、相手にとって、不足はないでしょ。』


『はい。』


『大山先生の、警備、厚くして。』



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 ここには、理論物理学者で、核兵器にも詳しい、大山先生がいるはずだ。


 カメリカで、研究していた、謎の多い、変わった人だ。


 一回、インタビューしたことがある。


 裏の裏の、さらに、裏の裏の裏がありそうな人物だが、至って、人当たりはよい。


 なぜ、彼が、ここに来たか、そのこと自体が、怪しい。


 本来、ここに収容されるはずがない。


 まあ、いささか、ボケたんだ。とは、言われるが。


 確かに、歳は歳だが、ボケるような人ではないと思うがな。


 有能な主人公なら、ぼけた役は演じられるが、逆は難しい。


 まあ。だれが、まずは、出てくるかだ。


 それから、また、考えよう。


 



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                🚀


 



 





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