第九段階
私は作家を志している。それは言ってしまえば「叶わない夢」であることを自覚した上で抱いているものだが、意外にも作家への執着が強い。
作家になるためにはどうするべきか。とにかく小説を書くこと。それは既にわかっていて、思った通り才能がないので他の方法を考えている。
結局、夢が叶うはずもなく、私はこうして叶いもしない夢に追われている。自らが生み出した、過去の執着から、必死に逃れているのである。
そして今殺された。何度も蘇っては、その度その都度、殺された。私自身に。私の夢に。私だけの執着に。ずっと殺されながら、最初に戻る。
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