第44話

しばらくすると探索兼狩りをしていたカエデから連絡があった。


『主様、結界の反応があるところを見つけたのでありんすが、どうするでありんす?』


「その結界はどんな効果のものかわかる?」


『私は解析が苦手でありんすゆえ、ルイスか主様が来てくれると嬉しいでありんす。』


「了解。場所だけ教えて。」


カエデの居場所を特定し、その場所に行ってみる。


あたりには森があるがカエデがいて場所は変にぽっかりとあいていた。

調べてみると何か結界の反応がある。カエデの言ったと通りだ。


「結界を調べてみたけど、すごく古い結界で、隠ぺい・人払い・聖域の結界が張られているね。」


『中には何があるでありんすか?』


「結界を解いてみないと分からないなぁ」


みんなで話し合った結果、結界を解いてみることにした。


「それじゃいくよ」


結界を解いたとたん、目の前に大きな木が出てきた。


「デッカイ木...」


「お嬢様、この感じ」


「うん、聖属性の気をまとっているね。」


『これは何でありんすか?』


「多分だけど、聖樹の仲間じゃないかな。ルイスはわかる?」


「私も詳しくはわからないのですが、聖樹または霊樹ではないかと。」


「霊樹?」


「はい、聖樹は力の弱い魔物や魔族を遠ざけるとされています。それに比べ霊樹は魔物などの繁殖の場になりやすいとされる木です。ほかにもいろいろな木があるようです。」


「へ~、摩訶不思議だね~」


「はい。」


「...」


「お嬢様、どうしましたか?」


「ここ何かに使えないかなって思って。」


「結界があったので何か役割があってのかもしれませんね。」


「あ、ここで魔物飼えないかな?」


「飼うとはどういうことでしょうか?」


「簡単に言えば家畜みたいにできないかなぁってこと。」


「なるほど。ですがここには聖域がかかっているわけではないので守護する者が必要ですね。」


「そうだね。そうと決まったらここを大きく囲っちゃおう!」


そういうと周りを壁で囲っていく。


「くっ...」


壁を頑丈にさらに高く作っていると使う魔力は多くなる。それに加え邪魔な木を伐採しているため使う魔力は膨大になる。


「お嬢様!無理はダメですよ。」


「うん。もう終わるから大丈夫だよ。」


(私の魔力少なくはないはずなんだけど)


感覚的に四分の三ほどを使った。


「お、お嬢様?」


「ルイス?どうしたの?」


「あ、あの壁はお嬢様が作られたのですか?」


「そうだけど...もしかして脆かった?」


「い、いえ。その逆で、多分なのですがドラゴンの攻撃を耐えると思うのですが...」


「え......?」


みんながジト目でこっちを見てくる。


「が、頑丈に越したことないよね!」

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