第45話

「お嬢様、何を捕まえてきましょうか。」


「うーん…捕まえてきても飼う人がいるからまだいいかな。」


「分かりました。」


「ここには転移出来るようにしたから、狩りに戻ろう。」


「はい」


元の集合地に戻った。

着いてみると、そこには大きな犬?狼?が2匹いた。


「私たちが出ていった後に来たみたいだね。」


「この2匹はつがいのようです。」


犬?狼?は黒地に赤のラインが入っており、もう1匹はお腹が大きく、白地に青のラインが入っている。


「お嬢様、この2匹どうしますか?」


「子供がいると、こうも倒しにくくなると思ってなかった…」


「それならこの2匹を先程作ったところで住まわせましょう。」


「でも、言葉分かるかなぁ…」


「メイドの中にワーウルフと人間のハーフがいるので、そのものを呼びましょう。」


「なるほど、翻訳してもらうってことね!なんて子かわかる?」


「ジュラです。」


「了解。」


家に転移で帰り、ジュラを連れてすぐに戻ってきた。


ジュラは簡単に言えば、狼の獣人のような外見をしており、フワフワの尻尾と耳が着いている。

ジュラ曰く、ワーウルフの方が毛深く、うなじから背中の中ほどまで毛が生えているらしい。


今度、モフモフさせてもらおっと。




「ジュラ、この2匹に私のところで働かないか聞いてみてくれない?」


「分かったっス!」


そういい、ジュラは2匹に向かうと、

ガゥガゥやらワァウなど言いながら喋り出した。可愛い。

すると、狼?犬?のオスの方が答えだした。もちろん、ガゥガゥと言いながら。


2匹を観察していると気づいたことがある。


オスは結構、傷があるようだ。


観察をしていると、話が終わったようだ。


「話は終わった?」


「ハイっす!」


「どうだったか教えてくれる?」


「2匹の種族名はエンシェントウルフの変異種、ヴォルケニオウルフとコキュートスウルフでしたっす!狼さん達は群れで行動をしていたらしいっすけど、やたらと強い人族に攻撃されたみたいっす。」


「その人族はどうしたの?」


その事は聞いていなかったらしく、ジュラはガゥガゥと会話をし始めた。


「分かったっスよ。ギリギリまで戦ったみたいなんすけど、仲間がドンドン倒されるのを見て勝てないと判断して、最後に大魔法を放って逃げてきたみたいっす。」


「そこは分かったよ。働いてくれるかどうかは?」


「安全に子育てができる所を用意してくれるならいいと言ってるっす。」


「丁度いいね!安全かどうかは見て確かめて欲しいから、ついてきてもらえる?」


転移は子供に何かあるといけないので、辞めて歩いていった。


メスは疲れきっている様子で、オスが外壁を見て回っている。


「なんでか、私達は人族なのに警戒しないね。」


「狼さん曰く、人目見て強者だと分かって逃げも、勝てもしないのは分かっていたから諦めていた。って言っていたっす。」


「あぁ、ルイス強いもんね。」


「え"?」


ジュラに"何言ってるっすか?この主人。"って顔をされた。



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