第39話

光が収まってくると、周りが見えるようになってきた。

周りは野原が広がっていた。

「あれ?召喚した子いない...」


「お嬢様、召喚に応じたものはすでにいます。」


とマリアが教えてくれる。


「どこに?」


「いま、乗っております。」


「え?いま草原に立ってる...もしかしてこの地面生き物なの?!」


「いま、魔力で覆って形の把握をしたのですが、お聞きになりますか?」


「お願い!」


「はい、全長12キロ、横幅は一番広いところで2.5キロほどの巨大なクジラです。」


「クジラってことは、私たちは今海にいるの?」


「いえ、いまは元居た座標の真上です。」


「こんなにでっかいなら上に家を建てれるね。」


「そのことなのですが、クジラは鎧のようなものをつけており、動く要塞状態になっており住めるようです。」


周りを見渡すと確かに建物がある。


「え?いま野原にいるよね?」


「ここは中庭のようです。」


「どこかに行くにしても見つかるとめんどくさいな...」


「それに関しては、常時認識阻害の結界を張っているので問題ありません。」


「うわぁ、すっごいハイテク...」


「それに、念話でお願いをすればその座標まで移動し、地上に認識阻害付の転移魔法陣を作ってくれるようです。」


「なんか、とても優秀すぎて私にはもったいないなぁ。それにしてもなんでマリアはそんなに知ってるの?」


「魔力でクジラを覆った時にクジラが私の魔力に干渉し知識を送ってきました。」


「なるほどぉ」


「やっぱり私にはもったいないよ。」


「ところでこのクジラなんて名前にするのですか?」


「あっ、そっか名前がないと呼びにくいからね。う~ん、どうしようかな...」


「ホエール...ホウェール...ウェール。ウェールはどお?」


そういうとクジラが鳴いた。


「気に入ったみたいだね!これからよろしくね!ウェール!」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る