第16話

後ろを振り向くとフワフワの9本の尻尾があった。気持ちよさそう。

じゃなくて尻尾をかき分けると見たことがある女性が青い顔をしてこちらをみていた。

あっ、目が合った。


「か、カミラさん!今助けます!ファイアアロー!」


と言いながら攻撃魔法を撃ってきた。


『主様に当たったらどうするのでありんす?』

と尻尾で叩くとファイアアローが9尾の尻尾に吸い込まれていった。


「っ!まだまだ!サンダーアロー!」


また矢だ。


『カエデちゃん、これは私が貰っていいかしら?』


『どうぞでありんす』


次はフェルがサンダーアローをパクっと食べてしまった。


「寮長〜!この2匹は私の従魔ですので大丈夫ですよ。」

と言うと

「へ?」

とポカーンとして固まってしまった。



私はいま学園長に呼び出されている。

私は従魔について話すことになり、呼び出されたわけだ。


「ワシはこの学園の長をやっている、シュワルド・ホゼシーニだ」


「1年Sクラスのカミラです。ご要件とは?」


「その事だが、お主が持っておる従魔は強力だ。ワシはその従魔が欲しい。」


「嫌です。カエデとフェルは私の従魔ですので。」


「いや、拒否権はない!お主が従魔を手に入れたのはこの学園に来てからだろう!これは規則だ。」


「そのような規則がないことは知っています。」


「いいや、学園長があると言えばあるんだよ!」


何を言っているんだろうかこと人は。


「それでは私がこの学園を抜ければいい話のことですね。それでは、これを。」


「な、なんだこれは。」


「退学届けです。それではありがとうございました。」


といい学園長室をでて教室へ行き、担任の先生に退学することを伝える。


「な、何を言っているのかしら。学園長がそのようなことを言うはずは…」


「現に私は言われたので退学届けを出してきたのですが。」


「あの、カミラさん…」


「なに?アナ。」


「ほんとに退学してしまうのですか?いいのですか?!」


「うん、アナにはまた会えるだろうしね。」


といい教室から出ていった。


寮に行き、寮長に事情をいい寮をでた。


『主様、どこに行くでありんす?』


「1回実家に帰ろうかな」


『実家はどこにあるんですか?』


「王都のど真ん中かな」


この学園があるのは王都ではあるが、平民街と貴族街の境目で、魔王城が真ん中にありそれを囲むように貴族街があり、その外に貴族街を囲むように平民街がある。街の形状は丸を描いている。


『真ん中には何があるのでありんす?』


「魔王城があるよ。」

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