第17話

『魔王城でありんすか?』


「うん、そうだよ。」


『魔国の乗っ取りに行くの?』


「そんなめんどっちぃことしないよ、フェル」


「ただ、実家に帰るだけ。」


『どうやって帰るでありんすか?』


「どうやって帰ろうかなぁ」


『私に乗って帰るといいと思うわよ。』


「それだと目立ちすぎちゃうから」


「あっ!そうだ!」


『どうしたでありんすか?』


「前から試そうと思ってた魔法を使おうかと思って。」


『何を使うの?』


「転移魔法だよ。」


と言いながら場所を思い浮かべた。

場所は魔王城の中庭。


魔力は少し多めだが、寝たおかげで回復している。


「転移!」


目の前の景色が一瞬で変わる。

なんとも言えない感覚だ。


「誰だ!」


と叫ばれる。うん、叫んだわけではない。

警備をしている兵士に警戒されるのは当たり前だろう。


「う〜ん…魔王の娘?」


「そんなわけはない!カミラ様は今学園にいるはずだ!」


「退学してきたからいるんだけど…」


「では、その従えている魔物はなんだ!」


「学園中に出来た従魔だよ。」


ぐぬぬ〜と迷った感じの声をだしこっちを見る兵士。


「か、カミラ!なぜ居る!」


「あ、お父様、お母様!ただいま!」


と抱きついてしまった。


「カミラちゃん、学園はどうしたの?」

とお母様に聞かれ事情を説明しておく。


「その従魔がその2匹なわけか…」


「はい。九尾のカエデとフェンリルのフェルです。」


2匹はお座りをして、頭を下げた。

言葉を交わせるのは主人の私とだけらしい。


『主のお父さんとお母さんは魔王様なんだ〜』


『主様のお父上とお母上とても優しそうでありんす』


喋りながら魔王城の中に向かっていった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る