第32話 総力戦
一方、外では俺たちの攻撃で桜の部下たちは次々と倒されていった。
俺たちの最初の攻撃で7人が仕留められ、混乱しているうちにさらに4人が撃ち殺され、4人が重傷を負って戦闘不能になっていた。
桜の部下たちも拳銃を取り出して反撃してきたが、俺たちは拳銃の有効射程距離から離れた遠距離から攻撃をかけていたのでやつらの攻撃は全く当たらなかった。俺たちは物陰に隠れて正確な射撃を浴びせ、敵を1人、また1人と仕留めていった。
俺が3人目の敵をしとめた時、松浦をはじめとする中にいた部下たちが外に出てきた。
アサルトライフルやショットガンを持った連中は俺たちの方に向けて一斉に発砲した。
そのとき、すさまじい爆発が起こり、やつらのアサルトライフルとショットガンはすべて破壊され、撃った奴らも銃の破片で死ぬか重傷を負った。俺とアドルフが仕掛けたトラップが見事さく裂したんだ。
「な、何!」
「う、ウソ?」
「ど、どうなってる?」
松浦と孝子、又一は愕然となり、ほかの奴らは呆然となって立ちすくんだ。
しかし、俺たちはやつらが戦意を喪失した瞬間を見逃さず、攻撃を仕掛け、たちまち、5人を撃ち殺した。
やつらは大混乱に陥り、松浦たち3人以外はただ慌てふためくばかりとなった。
「く、クソ、お前ら、しっかりしろ」
「何やってんのよ」
松浦と孝子はサブマシンガン、松浦はロシア製イズマッシュPP—19ビゾン、孝子はイギリス製のスターリングサブマシンガンをフルオートで撃ちまくり反撃を開始した。
しかし、2人とも腕は悪く全然、当たらなかった。
「くらえ」
「死になさい」
「行くよ」
「くたばれ」
淳一たちは松浦と孝子にライフルを発砲した。
「うわああ」
「いやああ」
松浦と孝子は絶叫を上げ、地面に倒れた。
松浦は淳一と拓斗から撃たれ、弾丸で左腕と右足を引き裂かれた。
孝子も彩夏と哲磨の攻撃で左わき腹と右肩を引き裂かれていた。
「うわああ」
松浦と孝子が倒れたとき、又一を除く全員が絶叫した。
その次の瞬間、俺が発砲した64式小銃が1人の首を撃ち抜き、浩香のマリンマグナムとアドルフのG3がさらに2人の心臓をぶち抜き、そいつらは即死した。
盗聴器からは桜たちの狼狽した声が聞こえてきた。
「く、クソ、何をやってるの、接近して反撃するのよ」
桜は喚いたが、当然、そんなことはできず、部下たちは松浦たちを助けることもできないまま物陰に隠れるばかりだった。
「わああ、た、頼む、助けてくれ」
「し、死ぬわ、お願い」
松浦と孝子は助けを求めたが、誰も近寄れなかった。俺たちは2人はわざと止めを刺さずにそのままにしておき、隠れている奴や重傷で声も出せないやつを次々と仕留めていった。
俺たちが松浦と孝子を殺さなかったのはこの2人を苦しませてやつらをさらに困らせるためだ。実は戦場で厄介なのは死者ではなくて重傷者なんだ。死者は放置しておいて問題ないが、重傷者はそのまま放置するわけにはいかない。救援のための人員も必要だからさらなる戦力減も招きかねない。俺は浩香からそれを聞いていたので、松浦と孝子にワザと止めを刺さなかったんだ。
やつらは次々と倒れ、すでに28人が仕留められていた。俺はこのまま敵を全滅させられるかもしれないと思ったが、そのとき、フルオートの正確な射撃が始まり、俺が隠れていた木に当たった。
俺は攻撃を仕掛けてきたやつがすぐに分かった。
「来たな。由歩」
そう、現れたのは由歩だった。由歩はAK47カラシニコフを手に正確な射撃を浴びせてきた。
由歩の攻撃は俺たちの方まで届くので、用心しなくてはならなくなった。
「聖夜、やつだな。尾長由歩」
アドルフが来て聞いた。
「ああ、やつだ。やつが来る前に片をつけたかったが、そうはいかなかったか」
俺は歯ぎしりした。
「関係ないわ、強いのはやつだけよ。ねえ、聖夜、アドルフさん、由歩を引き付けてくれない。そのすきにほかの奴は私たちが仕留めるわ」
浩香もきて言った。
「ああ、頼むぞ」
「任せてくれ」
俺とアドルフは即答した。
「もちろんよ。」
浩香はかわいらしくウインクをすると淳一たちに
「行くわよ」
と力強く言った。
「ああ、任せとけ」
「ええ、やりましょう」
「うん、行こう」
「もちろんだ。」
淳一たちも即答した。
「攻撃再開よ。」
浩香はそういうとマリンマグナムを発砲した。
桜の部下たちは由歩の参戦でようやく勢いづき、松浦と孝子を助け起こして家の中に運び込んだ。家の中には桜が雇った医者、といっても医師免許ははく奪されているので非合法のもぐりの医者だが、そいつが松浦と孝子を手当てした。
松浦と孝子の傷は出血がひどいがそこまで深くはなく、手当てを済ませると何とか動けるようにはなった。桜は2人に駆け寄った。
「大丈夫、松浦さん、孝子さん」
「ええ、痛みますが何とか、由歩さんが来てくれたんでかならず逆転できますよ。」
「ええ、少し休んだら、また、突撃しますんで」
松浦と孝子はメイドが持ってきたバーボンウイスキーをラッパ飲みしながら言った。
「よし、そのいきだ。鷹森、お前もビビッてないで行けよ」
小倉が沙織に命令した。
「は、はい」
沙織は「ふん、誰が行くもんですか」と思いながら返事をした。
しかし、外の戦況は桜たちの劣勢のまま推移していた。
俺とアドルフは64式小銃とヘッケラー&コッホG3を由歩に浴びせ、由歩をけん制した。
由歩はAK47カラシニコフから正確な射撃を俺たちに浴びせてきたが、俺もアドルフも姿を見せずに常に動きまわりながら射撃を浴びせたので由歩の攻撃は当たらなかった。
由歩も俺とアドルフの2人を相手にすることになり、銃声からでは俺たちの位置を正確には把握できず、数で劣勢なので防戦一方となり、上手く戦えなかった。そして、由歩以外の連中はさらに悲惨で拳銃を乱射しながら突撃したものの、浩香たちの銃撃の前にことごとく餌食となり、バタバタと倒れていった。ちなみに又一も彩夏の発砲したカービン弾を受け、負傷した。
気づけば桜の部下たちは由歩を含めて13、4人に激減していた。
「桜ちゃん、まずいです。このままじゃ全滅です。打つ手がありません。」
生き残りのうち、最年長の33歳の真山元太という男がトランシーバーで連絡した。
「く、クソ」
桜は歯ぎしりした。そのとき、部下の1人が哲磨に撃たれ、派手な悲鳴を上げて絶命した。
「文代ちゃん」
真山が絶叫した。
「桜ちゃん、もうダメです。脱出しましょう。由歩さんがいくら強くてもこれじゃかないません」
武田が悔しそうに言った。
「そ、そうね。脱出よ。みんな家の中に集合」
桜は無念そうにトランシーバーから命令した。
「了解」
「ラジャー」
「わかりました。」
真山達は返事をした。
真山達は家の中に逃げ込み、外には由歩1人が残り、物陰に隠れてAK47を乱射していた。
俺は桜たちが形勢不利とみて脱出しようとしていると気づいた。
「どうやら、桜たちは逃げ出す気でいるらしい。俺たちは桜たちを追う、由歩はここで俺たちを食い止める気だ。頼めるか」
俺はアドルフに聞いた。
「ああ、もちろんだ。聖夜たちは桜たちを追え、お前と浩香が桜と厚にされてきたことを1億倍にして返してやれ、俺が由歩を倒す。」
アドルフは即答した。アドルフは俺たちから由歩のことを聞き、やつの名前がスターリンから来ていて、奴自身がスターリンの信望者だと知って、奴を自らの手で倒すことを誓っていた。
アドルフはスターリンこそがドイツ、そして日本の戦後の悲劇を生んだのだといつも思っていた。だから、スターリンから名前をもらっただけでなくスターリンのことを信じている由歩は生かしておくことは絶対にできないと思っていた。だから、由歩を自らの手で倒すことを誓っていたんだ。
「ああ、頼んだぜ」
俺は残りの308ウインチェスター弾をアドルフに渡した。これまでの戦闘で浩香たちはライフル弾を使い果たし、俺とアドルフも持てるだけ持ってきていたが、残弾はわずかになっていた。64式小銃の弾とヘッケラー&コッホG3の弾は同じだ。だから、俺は残りの弾をアドルフに渡したんだ。
「ああ、行ってこい」
アドルフは弾を受け取った。
「おう、行くぜ」
俺はヘッケラー&コッホMP5を手に言った。
俺と浩香たちはサブマシンガンを手に走り出した。
一方、桜の屋敷の中では外から逃げ込んできた部下が大広間に集合していた。
桜と厚、小倉、武田、尾花、清美の6人と松浦と孝子、沙織の3人、メイドとコック、執事と清掃員、もぐりの医者の5人、そして又一たち12人が残存勢力だった。
「これで、全員?」
桜は聞いた。
「はい、俺たちですべてです。由歩さんは外で何とか足止めするとか」
又一が彩夏に撃たれた傷の手当てを受けながら答えた。
「そう、じゃあ、裏口から脱出よ。お金は持ってきた?」
「ええ、もちろん」
小倉が答えた。小倉たちは桜の部屋の大金庫から現金8億を小分けして持ってきていた。桜の部下たちは金の詰まったバックを手に持った。
「行くわよ」
桜たちは裏口から脱出し、森の中の駐車場に向かい車に乗り込んだ。
ちなみに桜の車は赤のポルシェで運転は松浦が行うことになっていた。ポルシェには桜と松浦、孝子が乗り込んだ。
桜たちは駐車場に向かう途中、攻撃を受けなかったので、俺たちが自分たちが逃げ出したことに気づいていないと思っていた。だから、車でいち早く逃げ出そうとしていた。
一番早く出発したのは小倉たちを除けば1番地位が上の三田園という28歳くらいの男とメイドと執事が乗った黒の日産デイズでこの車は俺が最初に沙織を見た時、沙織が乗っていた車だった。
三田園たちはデイズを発進させ、そのあとを桜のポルシェや厚が乗り込んだトヨタ・アルファード、小倉と武田が乗ったホンダ・ステップワゴン、尾花と清美が乗ったトヨタ・プリウスなどが続き、最後は又一と真山、沙織が乗り込んだ日産キューブが続いた。
三田園たちのデイズが200メートルほど走った時だった。すさまじい爆音がとどろき、デイズの燃料タンクをぶち抜いた。
俺がブルーノK602から弾丸を撃ち込んだんだ。375マグナムの威力はすさまじく弾はデイズをあっさり貫通し、燃料タンクのガソリンに引火、デイズは大爆発を起こした。
「うぎゃああ」
デイズは炎上し、中で三田園たちは焼き殺された。
桜たちは驚愕し、松浦はポルシェを停車させた。厚や小倉たちの乗った車もすべて停まる。道は一本道で車一台が通る幅しかないから桜たちは車でそのまま逃げ出すことは不可能になった。
俺はさらにボルトを操作し、弾を桜たちが乗る車に撃ち込んだ。車はエンジンを撃ち抜かれて次々と使用不能になった。
「ま、まずいわ、脱出よ。」
桜はポルシェから転げ出た。桜以外の奴らも車から出てくる。
「よし、行くぞ」
俺はMP5を手に浩香たちと突撃した。
「くたばれ」
俺たちはサブマシンガンを桜たちに掃射した。
「ぎゃああ」
たちまち、近くにいた清掃員とコック、もぐりの医者が撃ち殺された。桜たちは大混乱に陥った。
「いやああ、助けて」
「ひいい」
桜と厚は森の中に逃げ込んだ。ほかの奴らはただ、慌てふためいたり、半分ヤケになって銃を乱射していた。
「クソ、どこにいやがるくたばれ」
「死ねええ」
松浦と孝子はサブマシンガンをめちゃくちゃに乱射した。ほかの奴らも拳銃を盲撃ちしながら森の中に逃げ込もうとしていた。
そのとき、沙織はキューブから飛び出し、ワルサーPPK/Sをスカートから抜いていた。近くには同じくキューブから脱出した又一と真山がいて、又一はデーウーDH380を手にあたりを見回し、真山はノリンコT59を手に震えていた。
沙織は今がチャンスと思い、ワルサーPPK/Sを又一に向けた。
「又一、あんたのことは何度も殺そうと思ってたわ、死ねよ。バカ」
沙織は又一への憎しみを込めて引き金を引いた。しかし
引き金を引いても弾は発射されなかった。
「え、ど、どうして」
沙織は狼狽した。
すると、又一が勝ち誇ったように言った。
「ふん、ついに化けの皮がはがれたな。お前は中村からうまく逃げ出して俺たちのところまで戻ってきたとか言ってたが、俺にはどうも信じられなかったんだ。お前は自分のためなら何でもするクズだ。中村に桜さんや俺たちを売って生き延びたんだろう。俺は分かってたぜ、だから、お前が寝てる隙に撃針を折っといたわけだ。」
「うう、ば、ばれてたの」
沙織はうめいた。
「ああ、そうだ。言っとくが俺もお前なんか大嫌いだ。くたばれ」
又一はデーウーDH380を発砲しようとした。
しかし、沙織は身を伏せスカートの中に左手を入れて中に隠しておいたワルサーPPを取り出した。万一に備えてスカートの中に隠しておいたんだ。ちなみにこの方法は浩香がいつもやっているのを見て俺が教えておいた。
「何!」
又一は沙織がもう1丁、銃を持っていたことに驚愕し、デーウーDH380を発砲したが、攻撃は外れた。沙織も発砲したが、左手で発砲したので狙いは外れた。しかし、そばにいて唖然としていた真山の首に当たり、真山は絶叫を上げて倒れた。
「真山さん」
又一は喚いた。
「バイバイ」
沙織は森の中に逃げ込んだ。
「クソ、待て」
又一は激怒して追っていった。
沙織と又一が戦っていた時、俺たちはサブマシンガンで桜の部下たちを1人、また1人と仕留めていた。やつらは車や木影に隠れて何とか反撃したが、全くなすすべがなく次々と倒れ、気づいた時には小倉たち4人と松浦と孝子だけになっていた。
「うわああ、助けてくれ」
「もうだめだ。」
「日本なんて大嫌いだ。」
「いやああ、助けてええ」
小倉たちは恐怖のあまり、森の中に逃げ込んでいった。
「聖夜、浩香、あの4人組は俺たちに任せてくれ、俺があのインテリ野郎をしとめてやる。」
淳一がシグザウエルP226を手に言った。
「ええ、もちろんよ。私があの朝鮮人を倒すわ」
彩夏もヘッケラー&コッホP2000を手に言った。
「俺もあのうるさい女を倒すよ。」
拓斗もグロック17を手に言った。
「ああ、やつらは任せてくれ、あのアイドルオタクをしとめてやる。」
哲磨がブローニングハイパワーを手に言った。淳一たちは浩香と盗聴器から聞こえてくる音声で情報を集めていた時、小倉たちに敵意を抱き、小倉たちを討ち取ることを考えていたんだ。
「ああ、頼むぞ」
「ええ、お願い」
俺と浩香は即答した。
「任せとけって」
淳一たちは小倉たちを追った。
俺と浩香は残った松浦と孝子に攻撃を加えた。松浦と孝子はサブマシンガンを乱射したが見当はずれな場所を撃っていたので俺たちには当たらなかった。
2人のサブマシンガンは弾が尽き、銃は沈黙した。
「ク、クソ」
2人は狼狽した。その瞬間、俺と浩香はMP5とウージーを発砲した。
「うわああ」
「きゃああ」
2人は被弾したがよろめいただけで倒れなかった。どうやら防弾チョッキを着ているらしい
「ハハハ、防弾チョッキだ。俺は殺せないぜ、さあ、出てこい」
松浦は自信が出たのか急に威勢がよくなり、車に積んであったらしいトンファーを取り出した。
「ええ、そうよ。勝負よ。正々堂々、刃物で」
孝子も青龍刀を抜いた。
「さあ、こい」
松浦が挑発する。
「よし、どうやら白兵戦を挑みたいらしいな。どうする」
俺は浩香に聞いた。
「やってやるわ、行きましょう」
浩香はマグロ刀を手にウインクした。
「そうだな」
俺も日本刀を手に言った。
俺たちは日本刀とマグロ刀を手に松浦と孝子の前に出た。
2人は俺たちを見て顔をゆがめながら、喚いた。
「あ、あんたが鴨川ね。今までよくもやってくれたわね。」
「お前が絹子って女か、やっぱり、おまえら、鴨川と組んでたのか、由歩さんと戦ってるのは中村だな。」
「ああ、そうだ。俺が鴨川だ。お前らが刺しの勝負をしたいらしいから、来てやった。こいよ。」
俺は青龍刀を構えている孝子に言った。
「そうよ。私が絹子、輝也は由歩と戦ってるわ、あんたたち、やっと気づいたみたいね。そうよ。私たちと鴨川さんは最初から組んでたのよ。今更、遅いわ、それよりあんた、そんな棒切れで私を倒せるかしら、来なさいよ。」
浩香もマグロ刀を抜いて松浦に言った。
「勝てるぞ、死ね」
「くたばれ」
松浦は浩香、孝子は俺に襲い掛かってきた。
松浦は浩香をトンファーで殴ろうとしたが浩香は攻撃をかわし、マグロ刀をまるで華麗なダンスを踊るような感じで振り回し、松浦を圧倒した。
「うう、チクショウ」
松浦はトンファーで何とか応戦したが浩香の刀さばきに圧倒され、満足に反撃できず、防戦一方だった。あえて言うならどこかのゴロツキが棒切れで少女を襲おうとしたが、その少女の見事な剣技に圧倒されている感じだ。
「く、クソ」
松浦は浩香の華麗な剣技になすすべもなく、やけくそで突っ込んだが、見事、攻撃は外れ、浩香のマグロ刀が松浦の左手を切り裂いた。
「うわああ」
松浦はトンファーを落とした。次いで浩香は松浦の足も切り裂き、松浦は倒れた。
「うわああ」
松浦は反撃もできず絶叫した。
「あんたの負けよ。」
浩香は松浦の首にマグロ刀を突き刺した。松浦はそれこそ、活〆にされたマグロのように絶命した。
一方、俺と孝子も日本刀と青龍刀で激戦を繰り広げた。
孝子は力任せに俺に切りかかってきたが俺も日本刀を抜いて応戦し、俺の日本刀と孝子の青龍刀は火花を散らした。
「クソ、死ね」
孝子は力任せに切り付けてきたが俺は攻撃を受け止めながらも反撃し、戦況はすぐに俺優位になり、孝子は押されっぱなしとなった。
「うう」
孝子は俺に押されまくり、体勢を崩した。その瞬間、俺は孝子に刀を切り付け、右肩から左腰まで一気に切り裂いた。
「ぎゃああ」
孝子は倒れた。
「うあ、な、何で」
孝子は虫の息になりながら言った。俺は静かに言った。
「何で?防弾チョッキを着ていたのに何で攻撃を防げななかったのかか?言っておくが、防弾チョッキは弾丸を防ぐことはできても刃物を防ぐことはできないんだ。刃物を防ぐのは防刃チョッキってやつだ。勘違いするなよ。」
「うぐ」
孝子は出血多量で息絶えた。
「やったわね。後は厚と桜を始末してやるだけよ。2人を追いましょう」
浩香がCZ75を手に言った。
「ああ、もちろんだ。」
俺もベレッタ92を手に答えた。
俺たちは桜と厚の後を追った。
一方、淳一たちは小倉たちを追い、瞬く間に追いついた。
小倉たちは運動不足で軽快には動けなかったので身体能力の高い淳一たちにあっという間に追いつかれてしまった。
「く、クソ」
小倉たちは淳一たちが追い付いてきたことに気づき、拳銃を抜いて反撃を開始した。
ちなみに小倉の銃はイギリス製スピットファイアーマークⅡ、武田はロシア製バイカルMP446バイキング、尾花は韓国製デーウDP51、清美は中国製ノリンコNP42でそれぞれ、イギリスとロシアと韓国と中国の最新型の拳銃だった。
「やろう死ね」
「くたばれ」
「吹っ飛べ」
「うりゃああ」
小倉たちは拳銃を乱射した。しかし、小倉たちの腕は破滅的に悪く淳一たちに命中しなかった。
「よし、あいつら腕が破滅的に悪いな。準備はいいか」
淳一が彩夏たちに言った。
「ええ、もちろんよ」
「うん、大丈夫」
「いつでもいい」
「よし」
4人は木影に隠れて攻撃をかわしながらチャンスを待った。
小倉たちは拳銃を乱射したが瞬く間に弾を撃ち尽くし、弾切れになった。
小倉たちは狼狽し、弾薬サックから弾を補充しようとしたがその前に淳一たちは攻撃を仕掛け、淳一は武田、彩夏は尾花、拓斗は清美、哲磨は小倉に発砲した。
「うぎゃああ」
小倉たちは絶叫を上げ、倒れていった。その時点では4人とも息があったが、全員、腹や胸を撃たれて戦闘不能となり、淳一たちになすすべもない状態に陥っていた。
「うお、ち、ちくしょ」
小倉は血を吐きながらうめいた。
「お前らの負けだ。バカげた正義感は持たない方がいいぜ」
哲磨は小倉にブローニングハイパワーを向けながら言った。
「ああ、全くだ」
「そんなの無意味よ」
「むしろ、迷惑だよ」
淳一たちも武田たちに銃を向けながら言った。
「あばよ。アイドルオタク」
「じゃあな。インテリ君」
「バイバイ、在日さん」
「さよなら、うるさい人」
淳一たちは小倉たちに発砲し、小倉たちを始末した。小倉たちはあっけなく息絶えた。
「よし、浩香たちと合流だ。桜のクズと厚のバカを叩き潰すぞ」
淳一が弾倉を付け替えながら言った。
「ええ、もちろんよ。」
「当然だよ」
「もちろんだ」
4人は俺たちと合流するため、走り出した。
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